どのようにして合意解決を支援していくのか?
いかに子どもの気持ち・意思・意見を解決のプロセスに反映させるか?
【執筆者(50音順)】
池田清貴(弁護士)
上野はるみ(新潟家庭裁判所次席家庭裁判所調査官)
片山登志子(弁護士)
金成恩(立命館大学立命館グローバル・イノベーション研究機構専門研究員)
桑田道子(NPO法人Vi-Project代表)
古賀絢子(東京経済大学現代法学部専任講師)
榊原富士子(弁護士)
佐々木健(札幌学院大学法学部准教授)
新川明日菜(NPO法人Wink 理事長、アンファン・パレット代表)
高杉直(同志社大学法学部教授)
長田真里(大阪大学大学院法学研究科教授)
中村正(立命館大学大学院応用人間科学研究科教授)
松久和彦(香川大学大学院香川大学・愛媛大学連合法務研究科准教授)
村本邦子(臨床心理士、立命館大学大学院応用人間科学研究科教授)
山口亮子(京都産業大学法学部教授)
【本書の構成】
第1章 離婚紛争における子どもの意思の尊重~家事事件手続を中心として
子どもの権利主体性の確立過程を振り返った上で、家事調停における実務の現状と工夫、家裁調査官の取組、子どもの手続代理人の役割を取り上げる。
第2章 子どもの気持ち・意思を考える
心理学、家族社会学の見地から、子どもの意思を父母・親子の関係性の中で捉えること、子どもと別居親との交流の意味を、ライフストーリーワークを素材に考える。また、民間団体の面会交流サポートや離婚を経験した子どもたちのピアサポート上から、子どもの意思に関する実践的な課題を取り上げる。
第3章 子の奪い合い紛争の合意解決~ハーグ条約と合意解決の志向
まず国内事件と国際事件を比較検討した上で、日本及び他の締結国におけるハーグ条約の実施及び合意解決の状況を概観・整理し、子の利益を確保するために親の合意による解決を実現するための手法の1つとして、条約による変換事件における家事調停の問題を検討し、条約締約国で注目されている民間機関による国際家事メディエーションの可能性を追求する。
第4章 親の合意による解決の促進と支援
比較法研究からの示唆を得ながら、子どもの意思を尊重し、父母の協力関係を再構築するための課題を整理する。日本でも、養育費・面会交流支援の裁判外の取組がはじまっており、特に総合的な支援をしている基礎自治体の例を最後に紹介する。
日本の法整備や実務が目指すべき方向性を示す一冊!