渉外戸籍の扉

通則・出生・認知編
本体 ¥ 4,200
¥ 4,620 税込

著者:青木惺/監修 山下敦子/著
判型:B5判
ページ数:384頁
発刊年月:2024年2月刊
ISBN/ISSN:9784817849380
商品番号:40980
略号:渉出

商品情報

大好評「フローチャートでわかる届書の審査」の渉外戸籍版が登場!

● 渉外戸籍の実務を、基礎からフローチャート形式で解説。
● 窓口での届書の審査における記載事項・実質的要件等について、確認漏れがないか、形式的要件が整っているかが一目でわかる。
● 基本のフローチャートに当てはまらない事例についても可能な限り想定し、届書・記載例を網羅的に掲載。初級者のみならず、経験を積んだ担当者にも役立つ構成。

【本書のポイント】
①レアケースなども図で理解できる
②フローチャートから届書例・記載例にたどり着ける
③「疑問の窓」コーナーで日頃の疑問を解消
④表で根拠と法令内容が確認できる
⑤特に在留外国人が多い10か国の法制を掲載
⑥繰り返しの説明で知識が定着する

目次


『渉外戸籍の扉』を読むあなたへ

〈通則編〉

扉を開ける前に~そもそものお話~
 I 渉外戸籍とは、いったいどういうものなのか
  [疑問の窓] ~属地的効力・属人的効力を具体例で~
 II 渉外戸籍の届書を審査するとき、これだけは知っておきましょう
  [疑問の窓] ~外国人のみの届書の保存と公証~

第1章 国際私法の扉~国際私法の概要と反致との関係~
 I 国際私法とはいったいどんな法律なのか
 II 国際私法と反致~どんな関係なのか

第2章 通則法の扉 その1~準拠法を探そう(渉外戸籍全般にかかわること)~
 I 通則法を理解するための準備運動
 II 準拠法を見つけよう(全般にかかわること)
  [疑問の窓] ~本国法の決定について~
  [疑問の窓] ~公序則の適用について~

第3章 通則法の扉 その2~準拠法を探そう(各届出にかかわること)~
 I 実親子関係
  [疑問の窓] ~事実主義と認知主義~
  [疑問の窓] ~認知について~
 II 養親子関係
  [疑問の窓] ~断絶型養子縁組について~
 III 夫婦関係と夫婦間の子
 IV その他の親族関係等
  [疑問の窓] ~通則法33条(その他の親族関係等)が適用される身分行為なのかどうか~
 V 相続・遺言
 VI 後見等

〈各論編〉
各届出の扉(実親子関係)フローチャートでわかる届書の審査
~出生と認知の部屋~

第1章 出生の部屋
第1 渉外出生届を審査するときの基本的な事項
 I 嫡出親子関係の成立
  [疑問の窓] ~嫡出子とは? 嫡出推定とは?~
 II 嫡出でない子の親子関係の成立
  [疑問の窓] ~日本人父に胎児認知された外国人母の嫡出でない子の出生届について~
 III 渉外出生届における、日本で生まれた子・外国で生まれた子
  [疑問の窓] ~そもそも「責めに帰することができない事由」とはどういう意味ですか~
  [疑問の窓] ~生地主義と血統主義~
 IV 届書各欄の記載
 V 届出人・届出期間・届出地・添付書類
 VI その他

第2 渉外出生の基本のフローチャートと届書例・記載例・解説
 I 渉外出生届 日本で生まれた子 基本のフローチャート
 II 渉外出生届 外国で生まれた子 基本のフローチャート
 IIIの1 日本で生まれた子 届書例・記載例・解説
  ○嫡出子1─ A:日本人父とアメリカ人母の嫡出子出生届が事件本人(子)の本籍地にあった場合
  ○嫡出子1─ B:韓国人父母の嫡出子出生届が届出人の所在地にあった場合
  ○嫡出子1─ C:日本人父とフィリピン人母の嫡出子出生届が事件本人(子)の本籍地にあった場合
  ○嫡出子1─ D:前事例1─ Cで、子の父母欄に記載される外国人母の氏名を、日本人配偶者の氏(漢字)を用いて表記する旨の申出があった場合
  ○嫡出子1─ E:無国籍者夫婦間の嫡出子出生届が届出人の所在地にあった場合
  ○嫡出子2─ A:日本人父とタイ人母の婚姻前の出生子につき、父母婚姻後、戸籍法62条の出生届が届出人の所在地にあった場合
  ○嫡出子2─ B:アメリカ人父と日本人母の婚姻前の出生子につき、父母婚姻後、戸籍法62条の出生届が事件本人(子)の本籍地にあった場合
  ○嫡出子2─ C:フィリピン人父と日本人母の婚姻前の出生子につき、父母婚姻後、戸籍法62条の出生届が事件本人(子)の本籍地にあった場合
  ○嫡出子3:中国人(本土系)父母の婚姻前の出生子につき、父母婚姻後、嫡出子出生届が届出人の所在地にあった場合
  ○嫡出子4─ A:ブラジル人母の前婚(前夫:ブラジル人)解消後290日目、後婚(後夫:台湾人)成立後30日目の出生子につき、前夫の嫡出子として出生届が届出人の所在地にあった場合
  ○嫡出子4─ B:日本人母の前婚(前夫:韓国人)解消後300日以内の出生子につき、前夫の嫡出子として出生届が事件本人(子)の本籍地にあった場合(母が再婚していない事例)
  ○嫡出でない子1─ A:ブラジル人母の嫡出でない子の出生届が届出人の所在地にあった場合
  ○嫡出でない子1─ B:日本人母の嫡出でない子につき、フィリピン人(父子関係について事実主義を採用)を父とする出生届が事件本人(子)の本籍地にあった場合
  ○嫡出でない子1─ C:無国籍者の母の嫡出でない子の出生届が届出人の所在地にあった場合
  ○嫡出でない子2─ A:日本人父に胎児認知された台湾人母の嫡出でない子が出生し、届出人の所在地に出生届があった場合
  ○嫡出でない子2─ B:アメリカ人父(ノースカロライナ州)に胎児認知された日本人母の嫡出でない子が出生し、事件本人(子)の本籍地に出生届があった場合(母につき新戸籍を編製する場合)
 IIIの2 外国で生まれた子 届書例・記載例・解説
  ○嫡出子1─ A:アメリカ(生地主義国)で生まれた日本人夫婦の嫡出子につき、出生届出とともに国籍留保の届出が在外公館の長に提出され、その送付があった場合(同夫婦間に外国籍を有する年長の子がある場合)
  ○嫡出子1─ B:韓国(父母両系主義国)で生まれた韓国人父と日本人母の嫡出子につき、出生届出とともに国籍留保の届出が在外公館の長に提出され、その送付があった場合
  ○嫡出子1─ C:フランス(父母両系主義国・条件付き生地主義国)で生まれた日本人父母(父はフランスで出生)の嫡出子につき、出生届出とともに国籍留保の届出が在外公館の長に提出され、その送付があった場合
  ○嫡出子1─ D:台湾(父母両系主義国)で生まれた日本人父と台湾人母の嫡出子につき、出生届出とともに国籍留保の届出が事件本人(子)の本籍地にあった場合
  ○嫡出子1─ E:日本の在外公館の職員を父として、アメリカ(生地主義国)で生まれた嫡出子の出生届が在外公館の長から送付された場合
  ○嫡出子1─ F:ブラジル(生地主義国)で生まれた日本人夫婦の嫡出子につき、届出義務者の責めに帰することができない事由により、届出期間経過後に出生届出とともに国籍留保の届出が在外公館の長に提出され、その送付があった場合
  ○嫡出子2─ A:ブラジル(生地主義国)で生まれた日本人父母の婚姻前の出生子につき、父母婚姻後、父から戸籍法62条の出生の届出とともに国籍留保の届出が在外公館の長に提出され、その送付があった場合
  ○嫡出子2─ B:イタリア(父母両系主義国)で生まれたアメリカ人父と日本人母の婚姻前の出生子につき、父母婚姻後、父から戸籍法62条の出生の届出が在外公館の長に提出され、その送付があった場合
  ○嫡出子3:中国(父母両系主義国)で生まれた中国人父(親子関係について事実主義を採用)と日本人母の婚姻前の出生子につき、父母婚姻後、嫡出子出生の届出とともに国籍留保の届出が在外公館の長に提出され、その送付があった場合
  ○嫡出子4:ブラジル(生地主義国)で生まれた日本人母の前婚(前夫:ブラジル人)解消後210日目の出生子につき、前夫の嫡出子としての出生の届出とともに国籍留保の届出が在外公館の長に提出され、その送付があった場合
  ○嫡出でない子1─ A:アメリカ(生地主義国)で生まれた日本人母の嫡出でない子につき、出生の届出とともに国籍留保の届出が在外公館の長に提出され、その送付があった場合(母につき新戸籍を編製する場合)
  ○嫡出でない子1─ B:フィリピン(父母両系主義国)で生まれた日本人母の嫡出でない子につき、父子関係について事実主義を採用するフィリピン人を父とする出生の届出とともに国籍留保の届出が在外公館の長に提出され、その送付があった場合
  ○嫡出でない子2─ A:日本で日本人男に胎児認知された中国人母(日本に住所を有する)の嫡出でない子が、母の本国である中国(父母両系主義国)で出生し、出生の届出とともに国籍留保の届出が届出人の住所地にあった場合
  ○嫡出でない子2─ B:アメリカ人男(ニューヨーク州)に胎児認知(母の本籍地に郵送)された日本人母の嫡出でない子がアメリカ(生地主義国)で出生し、出生の届出とともに国籍留保の届出が在外公館の長に提出され、その送付があった場合(母につき新戸籍を編製する場合)

第3 渉外出生の基本のフローチャートに当てはまらない届書例・記載例・解説
 I 父未定の子
  [疑問の窓] ~「追完」って何? どうして戸籍訂正だったり、追完届だったり取扱いが違うの?~
 II 「父未定の子」届書例・記載例・解説
 ○父未定の子の出生届1:日本人母の前婚(前夫:韓国人)解消後290日目、後婚(後夫:日本人)成立後30日目の出生子につき、父未定の子として出生届があった場合(当事者全員が日本に居住する場合)
 ○父未定の子の出生届1─ A:父未定の子の出生届1の届出後、父を定める裁判確定により前夫(韓国人)が父と定められた場合
 ○父未定の子の出生届1─ B:父未定の子の出生届1の届出後、父を定める裁判確定により後夫(日本人)が父と定められた場合
 ○父未定の子の出生届2:ブラジル人母の前婚(前夫:ブラジル人)解消後290日目、後婚(後夫:日本人)成立後30日目の出生子につき、父未定の子として出生届があった場合(当事者全員が日本に居住する場合)
 ○父未定の子の出生届2─ A:父未定の子の出生届2の届出後、父を定める裁判確定により前夫(ブラジル人)が父と定められた場合
 ○父未定の子の出生届2─ B:父未定の子の出生届2の届出後、父を定める裁判確定により後夫(日本人)が父と定められた場合
 ○父未定の子の出生届3:フィリピン人母の離婚後300日以内に出生した子について、母の前夫(日本人)の嫡出推定を受ける一方で、事実主義国の他男(婚姻関係にないフィリピン人)との間に父子関係が成立している場合において、父未定の子として出生届がされた場合(当事者全員が日本に居住する場合)
 ○父未定の子の出生届3─ A:父未定の子の出生届3の届出後、父を定める裁判確定により前夫(日本人)が父と定められた場合
 ○父未定の子の出生届3─ B:父未定の子の出生届3の届出後、父を定める裁判確定により母のパートナー(フィリピン人)が父と定められた場合
 III 前夫との父子関係を否定する裁判確定後にする出生届
 ○裁判後の出生届1:日本人母の前婚(前夫:韓国人)解消後290日目、後婚(後夫:日本人)成立後30日目の出生子につき、前夫との親子関係不存在確認の裁判を確定させ、後夫の子として届出があった場合(当事者全員が日本に居住する場合)
 ○裁判後の出生届2:ブラジルに居住する日本人母の前婚(前夫:ブラジル人)解消後290日目に出生した子につき、前夫との父子関係を排除する裁判を確定させ、嫡出でない子としての出生届が在外公館にされ、本籍地に送付された場合

第2章 認知の部屋
第1 渉外認知届を審査するときの基本的な事項
 I 嫡出でない子の親子関係の成立
 II 認知の準拠法・認知の種類・認知の効力
 III 届書の審査
 IV 届書各欄の記載
 V 届出人・届出期間・届出地・添付書類
 VI その他

第2 渉外認知の基本のフローチャートと届書例・記載例・解説
 I 渉外認知届 (任意認知) 基本のフローチャート
 II 届書例・戸籍記載例・解説
  ○生後認知1─ A:アメリカ人男(ニューヨーク州)が日本人母の嫡出でない子(未成年者)を認知する届出があった場合
  ○生後認知1─ B:日本人男が中国人(本土系)母の嫡出でない子(成年者)を認知する届出があった場合
  ○生後認知1─ C:ベトナム人男が韓国人母の嫡出でない子(未成年者)を認知する届出があった場合
  ○生後認知1─ D:アメリカに居住する日本人男が、アメリカ人母(カリフォルニア州)の嫡出でない子(未成年者)を認知する届出を在外公館の長に届出し、認知者(父)の本籍地に送付された場合
  ○生後認知1─ E:出生届により、既に父として氏名が戸籍に記載されているフィリピン人男(父子関係は事実主義を採用)から、当該日本人母の嫡出でない子(未成年者)を認知する届出があった場合
  ○生後認知2─ A:韓国人男が日本人女と婚姻後に、日本人妻の嫡出でない子(未成年者)を認知する届出があった場合
  ○生後認知2─ B:日本人男がフィリピン人女と婚姻後に、フィリピン人妻の嫡出でない子(未成年者)を認知する届出があった場合
  ○生後認知2─ C:アメリカに居住する日本人男が日本人女と婚姻後に、日本人妻の嫡出でない子(未成年者:母の婚姻前の戸籍にある子)を認知する届出を在外公館の長に届出し、本籍地に送付された場合
  ○生後認知3─ A:日本人母の嫡出でない子を、オーストラリア人男が同国の方式により認知し、その証書が在外公館の長に提出され、子の本籍地に送付された場合
  ○生後認知3─ B:スイスに居住するスイス人男が、日本に居住する日本人母の嫡出でない子を、スイスの方式により認知したとして、チューリヒ市民課民事官作成の認知報告書を添付して、母から子の本籍地に届出があった場合
  ○生後認知4─ A:ドイツに居住するドイツ人男が日本人女と婚姻後に、日本人妻の嫡出でない子を同国の方式により認知し、その証書が在外公館の長に提出され、子の本籍地に送付された場合
  ○生後認知4─ B:ブラジルに居住する日本人男がブラジル人女と婚姻後に、ブラジル人妻の嫡出でない子を同国の方式により認知し、その証書が在外公館の長に提出され、子の本籍地に送付された場合
  ○胎児認知A:日本人男が中国人(本土系)母の胎児を認知する届出があった場合
  ○胎児認知B:アメリカに居住するアメリカ人男(ニューヨーク州)が日本人母の胎児を認知する届出があった場合

第3 渉外認知の基本のフローチャートに当てはまらない届書例・記載例・解説
 I 裁判認知等の解説と具体例
  ○裁判1:日本の裁判所において、アメリカ人男(カリフォルニア州)を相手方として、日本人の嫡出でない子の法定代理人である母から、認知の裁判が提起され、その裁判が確定したとして、子の本籍地に届出があった場合
  ○裁判2:韓国の裁判所において、韓国人男を相手方として、日本人の嫡出でない子の法定代理人である母から、認知の裁判が提起され、その裁判が確定したとして在外公館の長に届出があり、本籍地に送付があった場合
  ○裁判3:戸籍法63条の類推適用(父子関係存在確認の裁判による認知の届出):日本の裁判所において、フィリピン人男(父子関係について事実主義を採用)を相手方として、日本人の嫡出でない子の法定代理人である母から、父子関係存在確認の裁判が提起され、その裁判が確定したとして、子の本籍地に届出があった場合
  II 認知届のレアケース(届書例・記載例・解説)
  ○レアケース1:日本人男に認知された中国人母の胎児が父母婚姻前に出生し、父母婚姻後に嫡出子出生届がされた場合の胎児認知届及び出生届
  ○レアケース2:日本人A男と韓国人B女が離婚した後、日本人C男が韓国人B女の胎児を認知し、その胎児が父母離婚後300日以内に出生したため、いったん胎児認知届を返戻した場合において、出生届未済のまま当該出生子と日本人A男との父子関係不存在確認の裁判が確定し、その裁判書面を添付して胎児認知届及び出生届がされた場合
  ○レアケース3:日本人A男とフィリピン人B女が婚姻中に、日本人C男がフィリピン人B女の胎児を認知する届出をし、当該胎児認知届が不受理処分となった場合において、日本人A男とフィリピン人B女の離婚後に子が出生し、出生届未済のまま、当該出生子と日本人A男との父子関係不存在確認の裁判が確定し、その裁判書面を添付して胎児認知届及び出生届がされた場合

〈付録〉
(付録1) 通則に関するもの 窓口で役立つ準拠法等の確認におけるチェック表
I 準拠法(全般にかかわること)
II 準拠法(各届出にかかわること)
III 届書の記載等
IV 添付書類
V 在外公館で受理した届書に不備があるため戸籍の記載ができない場合
(付録2) 出生に関するもの 窓口で役立つ渉外出生届出におけるチェック事項の早見表 ~準拠法・「主要10か国」の法制・各欄の記載など~
I 出生に関する準拠法
II 渉外出生届のチェック事項の早見表
III 出生に関する「主要10か国」の法制等
IV 届書各欄の記載
V 届出人・届出期間・届出地・添付書類
(付録3) 認知に関するもの 窓口で役立つ渉外認知届出におけるチェック事項の早見表 ~準拠法・「主要10か国」の法制・各欄の記載など~
I 認知に関する準拠法
II 認知に関する「主要10か国」の法制等
III 認知の審査(図解)
IV 認知届の届書各欄の記載
V 届出人・届出期間・届出地・添付書類

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