香川登記研究奨励基金懸賞論文に9度入賞した現役の登記相談官が、
「根抵当に関する登記は、この一冊を持っていれば安心!」
と登記実務家に思ってもらえるよう執筆
<はしがき(抄)>
登記実務家にとって,根抵当に関する登記は,厄介な登記の1つといっていいでしょう。しかし,現在の登記実務に則した,根抵当を中心に解説した書籍は,極めて少なく,登記実務家を悩ませることとなっております。
そこで,本書は,根抵当に関する登記に特化して,根抵当に関する登記は,この1 冊を持っていれば安心と登記実務家の方々に思っていただけるよう,根抵当に関する登記全般を網羅的に解説した内容となっております。登記実務家として,必要かつ十分な根抵当に関する登記の通達,質疑応答等を盛り込んでおります。また,これから根抵当を勉強しようとする方々にも理解しやすいように,根抵当の概念から解説を行っております。
本書の特色は,以下のとおりとなります。
(1) 現時点での登記実務上の妥当な結論を模索することに主眼をおいて,民法改正にも対応した内容となっております。
(2) 登記実務家の方々の疑問点を可及的速やかに解決できるように,Q&A の形式で解説を行っております。
(3) 登記実務家の方々に納得していただけるよう,根拠となる文献,通達等を掲載するとともに,その理論の解説にできるだけ紙面をさいております。また,解説には図や図表を多用し理解しやすくしております。
(4) 登記実務家の方々が登記申請をする際の参考となるよう登記申請情報等のひな型をできるだけ掲載しております。
(5) 不動産登記は,公示することこそが最終目的なので,できるだけ登記記録例を掲載し,その解説をも行っております。
(6) 旧根抵当権の新根抵当権への経過措置の解説は,旧根抵当権が登記記録上残存していることは,もはや皆無と思われますので省略しております。
本書のたたき台となった原稿は,平成20年9月から少しずつ,10数年書き続けてきたものです。根抵当の基本書と成り得るような文献を目指して執筆を続けてきました。その原稿の中から登記実務上,重要と思われる部分を抜粋したものが本書となります。本書の出版を機に,登記実務家の方々のご指導,ご叱責を賜り,もし改訂の機会を頂けたら,意欲的に取り組みたいと思っております。……