●国土調査法に基づく地籍調査、地籍測量の基礎、地籍測量に用いられる測量方法、図根点、地上法による地籍測量、航測法による地籍測量、成果の取りまとめ、地籍調査成果の維持管理について、初任者に向けてわかりやすく解説。
国土調査促進特別措置法に基づく第6次国土調査事業10箇年計画の中の地籍調査作業規程準則及び同運用基準の改正に伴い、「教程 地籍測量(2008年10月刊)」を改訂。
【はしがき】
地籍測量は、昭和26年に制定された国土調査法に基づき実施されていますが、その進捗率は、平成21年度末で全国49%にとどまり、特に筆が細分化され、土地の権利関係が複雑で調査に長い期間を要する都市部や、土地所有者の高齢化や村離れ、また地形が急峻なため立会の実施が困難な山村部における遅れが顕著となっています。
このため、第6次国土調査事業十箇年計画(平成22年5月25日閣議決定)においては、調査の実施が難しい都市部や山村部の進捗を一層促進するとされています。
このような観点から、国土交通省は平成22年10月12日に地籍調査作業規程準則、11月29日に運用基準の一部を改正しました。地籍測量に関する主な改正点としては、ネットワーク型RTK-GPS法による多角測量法・放射法・単点観測法の導入、電子基準点のみを与点とするGPS法、デジタル方位距離計法、DGPS法による単点観測法など新たな測量手法・測量機器についても測量工程・精度区分に応じて採用を可能としたことです。これにより都市部及び山村部における地籍測量の効率化が図られ、調査の推進に大きく寄与できるものと期待されます。
著者等は、これまで地籍測量の実務の参考図書として「教程地籍測量」(発行所:(株)日本加除出版)を出版してきましたが、今回の地籍調査作業規程準則の改正を受けて内容を見直し、新たな実務書として本書を刊行することとしました。
本書が地籍測量を初めて担当する測量技術者、都道府県や市町村の地籍調査担当者、さらには土地家屋調査士、区画整理事業や土地改良事業に携わっておられる方々の学習や業務に役立つことを期待します。
平成22年12月 著者