相続人の死亡や行方不明、
相続分譲渡・放棄による排除…
使途不明金や妻の介護負担、
代償金支払…など
遺産分割のリアルと解決手法をストーリーで再現!
● 遺産分割調停のリアルな進み方を14 回のストーリー(調停期日) で再現。
→父、坂田徳蔵が亡くなり、先妻の息子洋輔と、後妻の長男嵩行との争いを軸に、相続人の複雑な人間模様と裁判所を通じた手続が調停を通じて描かれる。
● 事件に沿った調停申立書、説明書類、主張整理表等の実務上参考となる書式も豊富に掲載。
● 家庭裁判所の調停室を舞台とした物語から普段目にすることのない書記官等との関わり方や事件の留意点・流れ・勘所を読み解くことができる。
● 『第3版 家庭裁判所における遺産分割・遺留分の実務( 日本加除出版、2017)』の実戦編。
本書は、ある一つの事例を通じて遺産分割調停手続の流れを解説することを試みたものであり、遺産分割調停期日を重ねる中で、前提問題、付随問題、遺産の範囲・評価、分割方法等の争点が順次整理され、調停が段階的に進行し調停成立に至るまでの審理モデル(手順)を解説したものである。……
本書が完成するまでの行程は、まず、執筆者全員において、遺産分割調停において実務上問題となることが多い項目を選び出した上で、細井が、その項目にそって登場人物の人間像を紹介するプロローグ、調停開始からエピローグまでの基本ストーリー部分、調停期日前後における経過、調停期日における当事者の感情対立及び書式部分などを、次に、片岡が、各調停期日における上段部分(ストーリーに沿った調停の経過)、下段部分(争点に対する解説、問題点の指摘)及び実務の運用の紹介などを、そして、飯野が、意向調査、特別受益の主張一覧表、寄与分の主張整理表、調査報告書、調査官が関与する部分などを、それぞれ担当し、随時協議を重ねながら、補正して完成したものである。
本書を通じて、遺産分割事件についての基礎知識、実務の処理方針、調停運用の在り方(進行中評議の在り方、当事者・手続代理人弁護士への対応、付随問題の扱いなど)、殊に、専門家調停委員の活用、鑑定手続、特別受益、寄与分などについての実務の指針を示すことで、弁護士、司法書士、遺産分割調停を現に担当し、そしてこれから担当することになる家事調停委員などの遺産分割事件に関わる実務家に役立つ内容になっていると考えている。……(はしがきより抜粋)