基礎からわかる国際相続の実務Q&A

アメリカを中心とした海外資産・海外在住者の相続手続・対策を知る83問
本体 ¥ 5,500
¥ 6,050 税込

著者:西原和彦/著
判型:A5判
ページ数:480頁
発刊年月:2023年2月刊
ISBN/ISSN:9784817848550
商品番号:40929
略号:国相

商品情報

どうして「国際相続」は複雑になるのか?
増え続ける国際相続の実際の手続を、ケーススタディからひも解く

●典型的な国際相続のケースの紹介 ――注目するべき論点を書籍で解説しています!
【01 日本に住む被相続人に海外資産がある場合の対応】
 夫が日本で亡くなりました。相続人は日本に住む配偶者である私と、子2人です。私たち家族は4人とも日本国籍で、ずっと日本に住んでおり、外国での居住歴はありません。夫は、日本とカリフォルニア州のそれぞれに不動産や預金などの資産を持っていました。遺言が残っていない場合、どのように相続手続を進めればよいでしょうか。

【02 海外に長年居住する相続人への対応】
 私の兄は若い頃にアメリカに渡り、そのまま何十年も音信不通です。先日、日本に住む私たちの父が遺言を残さず亡くなりました。相続問題について、どこからどのように対応していけばよいでしょうか。

【03 海外在住日本人による日本における相続への対応】
 私は若い頃にアメリカに渡りアメリカ市民権を取得しました。日本に住む父が亡くなり相続問題が発生しました。弟から一方的に遺産分割協議書が送られ「サインして返送するように」と伝えられています。どのように対応すればよいでしょうか。父がすべての遺産を日本に居住する相続人に相続させるとする遺言を残していた場合はどうでしょうか。

【04 被相続人が海外在住日本人の場合の日本における相続への対応】
 父は私の母と離婚後に渡米し、アメリカでアメリカ市民の女性と再婚して子をもうけました。その父がアメリカで亡くなりました。相続人はアメリカで同居する現在の妻とその子、日本に住む私です。父は日本とアメリカに不動産や預金などの資産を持っていました。どのように相続手続を進めればよいでしょうか。

目次

●目次と設問 ――法務・税務の両面から解説!
第1 国際相続はなぜ複雑なのか
  Q01 どうして国際相続は複雑になるのか
  Q02 ケースで見る国際相続の複雑さ

第2 国際相続手続に立ち向かうために必要となる知識
  Q03 アメリカの法制度
  Q04 世界で大きく異なる相続手続~管理清算主義と包括承継主義
  Q05 アメリカのプロベートの流れ
  Q06 国際私法の基本的な考え方
  Q07 法の適用に関する通則法における相続の準拠法
  Q08 国際相続における反致
  Q09 国際相続に関する調停,審判の国際裁判管轄
  Q10 国際相続に関する訴訟事件の国際裁判管轄
  Q11 国際相続における外国判決の承認
  Q12 アメリカにおけるプロベートの裁判管轄
  Q13 アメリカにおけるプロベートの準拠法
  Q14 EU相続規則(EUの国際私法と国際裁判管轄)
  Q15 住所とドミサイル

第3 国際相続が起きた場合の対応
1 遺言の存在と有効性
  Q16 日米における遺言の探索
  Q17 アメリカの遺言制度
  Q18 アメリカの遺言制度の特徴
  Q19 日米における遺言の撤回
2 遺言の執行
  Q20 日本における外国遺言の検認
  Q21 日本における外国遺言の執行
  Q22 アメリカで選任された遺言執行者の日本における権限
3 相続人
  Q23 アメリカでの相続人調査
  Q24 相続人確定のための書類
  Q25 日米の法定相続人と法定相続分
4 遺産の範囲
  Q26日米のデジタル遺産
5 遺産分割協議
  Q27 日本における国際的な遺産分割と未成年の特別代理人
  Q28 海外在住相続人が日本での遺産分割時に必要な書類
  Q29 アメリカの金融機関への対応と日米間の国際送金
6 相続放棄
  Q30 日本における国際的な相続放棄
7 遺留分請求
  Q31 日本における国際的な遺留分侵害額請求
  Q32 アメリカの遺留分制度

第4 国際相続が起きた場合の相続税・遺産税
1 日本の相続税
  Q33 日本の相続税と贈与税の納税義務者
  Q34 居住無制限納税義務者の日本の相続税の計算方法
  Q35 非居住制限納税義務者の日本の相続税の計算方法
  Q36 相続法と相続税法における相続人と相続財産の範囲の相違
  Q37 日本における相続財産の評価方法
  Q38 海外遺産の日本の相続税計算における評価とその売却時の税務
2 アメリカの遺産税
  Q39 アメリカの連邦遺産税と連邦贈与税の仕組み
  Q40 アメリカの連邦遺産税と連邦贈与税の納税義務者
  Q41 アメリカ居住者の連邦遺産税の計算方法
  Q42 アメリカ非居住外国人の連邦遺産税の計算方法

第5 エステートプランニングに必要となる知識
1 日米の税務当局の対応
  Q43 国外資産に対する日本の税務当局の対応
  Q44 国際相続・国際贈与に対する日本の税務当局の課税対応,タックスヘイブン税制
  Q45 アメリカの国外財産調査制度
2 日米の贈与税
  Q46 日本の贈与税
  Q47 アメリカの連邦贈与税
3 夫婦財産契約
  Q 48国際的な夫婦財産契約
4 信 託
  Q49 日本の信託法制と国際的な信託
  Q50 日本の信託税制
  Q51 アメリカの信託と日米における課税・QDOT
5 後見制度
  Q52 日米の成年後見と任意後見
6 アメリカのプロベート回避のためのプランニング
  Q53 アメリカのプロベート対象外財産
  Q54 アメリカの共有形態
  Q55 アメリカ共有名義口座,合有不動産の税務
  Q56 外国人の日本式遺言
7 公証人
  Q57 世界の公証人

第6 海外投資に必要となる知識
1 法務
  Q58 日本とアメリカの不動産法の違い
  Q59 アメリカ不動産売買の手続上の注意点
  Q60 アメリカ不動産賃貸の注意点
  Q61 キャプティブ
  Q62 アメリカ滞在のために必要なビザ
2 日本の所得税
  Q63 日本の所得税の納税義務者の分類
  Q64 税法上の住所
  Q65 日本の所得税の納税義務
  Q66 海外不動産の賃貸と売却時の日本の所得税
  Q67 日本非居住者の日本における所得税課税
  Q68 海外不動産収益に対する日本の法人税
3 アメリカの連邦所得税
  Q69 アメリカ連邦所得税の納税義務者
  Q70 アメリカ市民とアメリカ居住外国人の連邦所得税の計算
  Q71 アメリカの非居住者個人の連邦所得税とTIN
  Q72 アメリカの不動産投資における税務
4 国際的な二重課税の回避
  Q73国際的な二重課税の回避
5 日米の税金の時効と罰則
  Q74 日米の税金の時効
  Q75 日本の脱税に対する税務調査
  Q76 日本の附帯税・加算税
  Q77 アメリカの加算税と刑事罰

第7 日本への帰国
  Q78 アメリカの永住権・市民権の取得の影響
  Q79 日本への帰国
  Q80 アメリカの年金,IRA

第8 ケーススタディ
  Q81 日本居住日本籍の被相続人に海外資産がある場合の相続(カリフォルニア州)
  Q82 日本居住のアメリカ市民が被相続人の場合の相続(ハワイ州)
  Q83 アメリカ居住の被相続人の相続のポイント(ニューヨーク州)
コラム アメリカの証明遺言の作成
コラム アメリカの相続財産探索
コラム 減価償却とは

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