発売後1週間で重版となりました!
「うつくしま」と呼ばれる福島の大地がよみがえり、被災者の生活が再建されるよう、
当連合会は全力を挙げることをお約束します。-日本弁護士連合会会長 宇都宮健児
●原子力損害賠償請求の今後の指針となるQ&A全129問。
●平成23年8月5日に原子力損害賠償紛争審査会が示した「東京電力株式会社福島第一、第二原子力発電所事故による原子力損害の範囲の判定等に関する中間指針」に対応しています。
●弁護士が今まで取り組んできた公害事件や薬害事件における損害賠償請求実務の成果を踏まえ、原発という特殊な事件の実務について解説しています。
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政府の指針を杓子定規に適用したマニュアルではなく、
「さらに踏み込んだ考え方」について解説しています。
たとえば…、
Q77. A県産のホウレン草から暫定規制値を超える放射性物質が検出されたために、
A県産の他の野菜(トマトなども)も売れなくなった。
トマトからは暫定規制値を超える放射性物質は検出されていないが、損害賠償請求が可能か。
↓
A.「中間指針において指摘されるとおり、いわゆる風評被害という表現は、
放射性物質による危険がないのに消費者や取引先が危険性を心配して商品やサービスの購入・取引を
回避する不安心理に起因する損害という意味で使われることもあるが、
少なくとも本件事故においては、必ずしも科学的に明確でない放射性物質による汚染の危険を回避するための
市場の拒絶反応による損害と考えるべきである。
この場合、風評被害は、ある種の実害という側面を持つものであり、合理性が認められる限り、
広く損害賠償の対象として救済されるべきである。」
と、上記のように解説しています。
平均的・一般的な人を基準として、このような事情があれば野菜であれば他の品目についても
危険性を懸念し、敬遠したくなるのが無理のないことかどうか、という基準で判断し、
被害の本体は「実害」という面をきちんと持っているという点を押さえた上での解説となっています。