民事訴訟における事案の解明 画像拡大 本体 ¥ 5,800 ¥ 6,380 税込 著者:松本博之/著 判型:A5判上製 ページ数:400頁 発刊年月:2015年3月刊 ISBN/ISSN:9784817842145 商品番号:40579000001 略号:民解 入荷待ち お気に入りに追加 この書籍はAmazonサイトにてPOD(プリント・オンデマンド版)でのご購入のみとなっております。 商品情報 具体的な争点を確定するための 当事者の義務及び相手方の協力義務について その根拠と意義・機能を考究した意欲作 ●当事者の具体的事実陳述責任ないし義務の観念の必要性および有効性とその根拠を明らかにし、この概念の確立に寄与することを目的とする一冊。 ●当事者間の実体関係に即した方法で、事実や証拠の偏在という現実に対処できる解釈を展開。 ●最近の要件事実論との関連についても言及。 目次 序章 問題の所在と本書の課題 1 具体的争点形成の必要性と情報の偏在 2 立法の動向 3 証明責任および主張責任に関する概念的区別 (1) 客観的証明責任 (2) 意 義 (3) 証明責任の分配 (4) 証拠提出責任(主観的証明責任) (5) 抽象的主張責任 (6) 具体的主張責任(konkrete Behauptungslast)ないし具体的事実陳述責任(Substantiierungslast) (7) 要件事実論 (8) 意 義 (9) 要件事実論に対する疑問 4 本書の課題 第1 章 民事訴訟における証明責任を負わない当事者の具体的事実陳述=証拠提出義務 第1節 通説・判例における「事案解明」の意味5 第1款 はじめに 第2款 現行民事訴訟法による具体的事実主張の要求 1 裁判所の早期事件関与 2 具体的事実陳述の原則と問題点 第3款 本章の課題 第2節 判例の展開 第1款 はじめに 第2款 税務訴訟 第3款 航空機事故による損害賠償訴訟 第4款 原子力発電関係訴訟・環境訴訟 第5款 国籍確認訴訟 第3節 判例の分析と評価 第1款 種々の見解 第2款 証明責任の「事実上の転換」説 第3款 表見証明(事実上の推定)説 第4款 証明妨害説 第5款 証明責任を負わない当事者の一般的事案解明義務説 第6款 具体的事実陳述=証拠提出義務(Substantiierungspflicht)説 第4節 証明責任を負わない当事者の具体的事実陳述=証拠提出義務 第1款 証明責任を負わない当事者の具体的事実陳述=証拠提出義務の理由づけ 第2款 証明責任を負わない当事者の具体的事実陳述=証拠提出義務の若干の事例 1 適用範囲 2 製造物責任訴訟 3 医療過誤による損害賠償請求訴訟(医師責任訴訟) (1) 証明責任 (2) 医師の不手際(Kunstfehler)についての証明責任 (3) 診療行為の内容や治療上の判断についての医師の具体的事実陳述義務 (4) 診療録の作成=保存義務 (5) 医療事故調査報告書の提出問題 (6) 説明義務違反と結果発生との間の因果関係 4 特許権侵害訴訟における被告の積極否認義務 第3款 証明責任を負わない当事者の具体的事実陳述=証拠提出義務と職業の秘密の保 1 問題の所在 2 職業の秘密を理由とする証言拒絶・文書提出拒絶についての判例 3 具体的事実陳述義務と職業の秘密 第4款 義務不履行の効果 第5節 証明責任を負わない当事者の事後的調査義務 第1款 はじめに 第2款 ドイツにおける判例の発展 1 はじめに 2 判 例 (1) 自己の認識外の事実についての具体的事実陳述義務 (2) 第三者の知識─調査・情報取得義務 (3) 必要的共同訴訟人の知識に属する事実についての陳述義務 第3款 学説の状況 1 学説の承認 2 当事者の調査・情報義務の理論的根拠づけ 3 代理人その他受任者の知識の当事者への帰責か 4 任意的訴訟担当の場合および債権譲渡の場合 5 調査の程度 第4款 日本法の解釈の方向 1 法状態 2 問題解決の方向 第2 章 製造物責任訴訟における証明責任と証明軽減 第1節 はじめに 第2節 証明責任の分配 第1款 損害,欠陥および欠陥と損害との間の因果関係の証明責任 第2款 欠陥の主張と証明 1 製造物の欠陥 2 流通開始時の欠陥の存在 3 部品の欠陥 第3款 因果関係 1 欠陥と損害事故との間の因果関係 2 指示・警告上の欠陥と因果関係 第4款 被告製造者の免責証明 第3節 証明軽減の必要性と現状 第1款 証明軽減の必要性 第2款 事実上の推定 第3款 ドイツにおける表見証明 第4款 日本の裁判例における証明軽減の実情 1 裁判例 2 事実上の推定により欠陥を推認した裁判例 第4節 訴訟資料・証拠方法の収集に関する問題点 第1款 欠陥に関する苦情や情報の開示 第2款 事故原因に関する調査報告書等の提出命令 第3款 鑑定の問題 第4款 証明責任を負わない当事者の具体的事実陳述義務 第3 章 保険金請求訴訟における証明責任と具体的事実陳述義務 第1節 はじめに 第2節 保険事故についての証明責任 第1款 保険事故の概念と証明責任 第2款 偶然性の証明責任 第3款 証明軽減の必要性─一応の推定か,徴表証明か � 第3節 保険料支払義務の履行についての証明責任 第1款 はじめに 第2款 裁判例と学説 第3款 私 見 第4節 告知義務違反についての証明責任 第1款 はじめに 第2款 学説の状況 第3款 私 見 第5節 具体的事実陳述=証拠提出義務 第1款 積極否認の必要性と具体的事実陳述義務 第2款 証明責任を負わない当事者の事実陳述=証拠提出義務の法的根拠 第6節 要 約 第4 章 不当利得返還請求における法律上の原因の欠缺および利得についての証明責任と具体的事実陳述義務 第1節 はじめに 1 法律上の原因の欠缺 2 侵害不当利得の場合 3 給付不当利得の場合 第2節 給付不当利得における法律上の原因の欠缺についての証明責任 第1款 原 則 第2款 保険金返還請求の場合 第3款 留保つき弁済が不当利得返還請求に対して与える影響 第3節 不当利得返還請求における証明責任を負わない当事者の具体的事実陳述義務 第1款 法律上の原因の欠缺 第2款 利得についての具体的事実陳述義務 1 利得についての証明責任 2 具体的事実陳述義務 第4節 要 約 第5 章 安全配慮義務違反に関する証明責任の分配と具体的事実陳述義務 第1節 はじめに 第2節 安全配慮義務違反と帰責事由の区分,および証明責任の分配について 第1款 判例の概観 第2款 学説の概観 第3款 判例・学説の問題点 第4款 ドイツ法における問題の解決 第3節 問題解決のための視点と私見 第4節 安全配慮義務違反と損害との間の因果関係の証明責任について 第5節 証明責任を負わない当事者の具体的事実陳述=証拠提出義務 第1款 使用者側の具体的事実陳述義務の必要性 第2款 文書提出命令・文書提示命令 第3款 学校事故とくに,いじめ自殺の場合 第6節 おわりに 第6 章 ドイツにおける当事者の具体的事実陳述=証拠提出義務論の意義と展開 第1節 ドイツ民事訴訟における具体的事実陳述責任の意義と原則 第1款 基本原則 第2款 具体的事実陳述責任の範囲 第3款 例外─消極的事実の主張 第2節 ドイツ不正競争禁止法3条に基づく差止訴訟における主張=証明責任の分配と証明責任を負わない当事者の具体的事実陳述義務 第1款 ドイツ不正競争禁止法3条に基づく差止請求権 第2款 差止請求権の成立要件と主張=証明責任の分配 第3款 ミスリーディングな広告表示 第4款 証明責任を負わない当事者の具体的事実陳述義務 1 被告の事業領域にある事実をもってする広告 (1) 判例の展開 (2) 学説の見解 2 第一人者的地位広告(Alleinstellungswerbung) (1) 判例の展開 (2) 学説の見解 (3) 学問上の意見を援用して行うミスリーディングな健康広告 ��& (4) 判例の展開 (5) 学説の見解 (6) 近時の判例 3 まとめ 第3節 種々の領域における,証明責任を負わない当事者の具体的 事実陳述=証拠提出義務 第1款 はじめに 第2款 名誉毀損および一般的人格権の侵害による損害賠償請求,差止請求および撤回請求 1 名誉毀損による損害賠償請求および差止請求 2 名誉毀損を理由とする事実主張の撤回請求 3 一般的人格権侵害の場合 第3款 過失相殺・損害抑止義務違反 1 過失相殺 2 被害者の損害軽減行為 3 その後の判例 第4款 不当利得返還請求 1 給付不当利得における法律上の原因の欠缺 2 債務の総額が未確定の債務に対する一定額の弁済の場合 第5款 確定判決変更の訴えによる扶養料増減請求 1 確定判決変更の訴え 2 重大な事情変更 第6款 被差押債権の取立訴訟における第三債務者の陳述義務 1 被差押債権の取立訴訟 2 第三債務者の陳述義務 第7款 その他 1 はじめに 2 判例の具体的内容 3 まとめ 第4節 労働裁判所の解雇制限訴訟における「段階的主張責任」 1 解雇制限訴訟における証明責任 2 連邦労働裁判所の判例における段階的主張責任 3 他の方法での継続雇用の可能性と段階的主張責任 4 疾病に条件づけられた解雇告知と段階的主張責任 (1) 疾病に条件づけられた解雇告知 (2) 頻繁な短期疾病 (3) 長期疾病に条件づけられた労働無能力による解雇告知 (4) 消極的健康予測の主張の特徴 5 不当な社会的選考 (1) 原告被用者の主張困難と解雇制限法1条3項1文第2半文の使用者の通知義務 (2) 判例による段階的主張責任論の展開 (3) 判例に対する種々の批判 (4) 批判に対する判例の側の対応 (5) まとめ 6 連邦労働裁判所の判例の特徴 終章 要約と展望 1 要 約 2 展 望 あとがき 事項索引 判例索引 著者紹介