混乱する世界情勢の中で、自社のビジネスを守る・切り拓くために。
企業法務の必須分野になりつつある貿易コンプライアンスの
初学者にも分かりやすい×企業法務の現場で役立つ教科書。
なぜ今、国際通商法実務が重要なのか(はしがきより)
本書の執筆を思い立った背景として、近年、国際通商法実務が急拡大し、企業法務の必須分野のひとつになりつつあるとの認識がある。かつて、通商法実務といえば、WTO 協定、EPA、アンチダンピング、貿易関係の契約対応など、比較的テクニカルな対象を扱う分野という印象もあった。しかし、2010 年代後半以降、米中対立の激化、主要国における経済安全保障への関心の高まり、ロシアのウクライナ侵攻などを背景に、輸出管理、投資管理、経済制裁をはじめとする規制分野を中心に各国の法制度がめまぐるしく変化し、多くの企業が日常的に通商法の問題に直面するようになった。さらに、足元では、人権、環境、ESG といった新しい課題と国際通商法が交錯する場面も生じている。そして、これらの問題が、企業の経営判断やサプライチェーン戦略に重大な影響を及ぼす場面も飛躍的に増えている。