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会社法、金融商品取引法、信託法、保険法、債権法、有価証券法等のビジネス関連法及び消費者保護関連法を専門とする著者による、
自身の実務分析と5年もの実地ヒアリングを踏まえた、医療法人関係者必携の法律実務書。
<著者紹介>
今川嘉文 龍谷大学法学部教授
『保険法Map〔解説編〕〔判例編〕』(共編著、民事法研究会、2013年)、『会社法にみる法人役員の責任』(日本加除出版、2012年)、『誰でも使える民事信託〔第2版〕』(共編著、日本加除出版、2012年)、『投資取引訴訟の理論と実務』(中央経済社、2011年)、『実務不法行為法講義〔第2版〕』(共著、民事法研究会、2011年)、『金融商品取引法コンメンタール〔第4巻〕』(共著、商事法務、2011年)他、多数執筆。
特定の法領域にこだわらず、実務の視点に立った熱心な研究活動で、弁護士・司法書士などの法律家や、法人役員からの信頼が厚く、全国各地で多数の研修を行っている。
<目次>
はじめに
凡例
第1編 医療法と医療法人の法務
Ⅰ 各医療法人の特徴
第1章 各医療法人の概要
第1節 医療法人の運営
1 医療法人の現状
(1) 目的と医療法人数
(2) 医療法人の業務
2 医療法人を取り巻く状況
(1) 日本の病院の特徴
(2) 現状の課題
3 2025年「地域包括ケアシステム」
(1) 地域包括ケアシステムの構築
(2) 地域医療構想の策定
第2節 医療法人の区分と概要
1 医療法人の区分
2 各医療法人の概要
(1) 社団医療法人
(2) 財団医療法人
(3) 社会医療法人
(4)
特定医療法人
(5) 一人医師医療法人
(6) 地域医療連携推進法人
3 医療法人の法人税の税率
第2章 社団医療法人
第1節 社団医療法人の特徴
1 法人の概要
(1) 意義
(2) 持分ありと持分なし
2 社団医療法人の役員
(1) 役員の選任等
(2) 役員の解任等
(3) 役員の欠員
(4) 営利法人等の役職員の兼務
第2節 社 員
1 社員の属性
(1) 社員と持分の関係
(2) 社員の特定
2 退社手続と持分の払戻請求
(1) 具体的手続
(2) 権利濫用法理の適用
第3節 社員総会
1 意思決定機関
2 決議事項・総社員の同意事項
(1) 法定決議事項
(2) 定款で定められている事項
(3) 総社員の同意事項
3 社員総会の開催・招集
(1) 社員総会の開催
(2) 社員総会の招集手続
4 社員総会の運営
(1) 議長
(2) 説明義務とその拒否
5 決議要件と決議の瑕疵
(1) 議決権
(2) 定足数・表決数
(3) 代理行使等の可否
(4) 社員総会決議の瑕疵
6 社員総会の議事録
(1) 議事録作成
(2) 保存閲覧謄写
第4節 持分の意義
1 経過措置型医療法人
(1) 定款における持分の定め
(2) 旧モデル定款
2 持分保有と社員資格
第5節 持分に関する課題
1 具体的課題
(1) 持分に関する相続
(2) 従来からの課題
(3) 移行計画に関連する税制措置
2 持分の払戻請求の対処
第6節 持分の移動と持分払戻請求
1 持分の移動・持分払戻請求権の相続
(1) 持分譲渡等の承認
(2) 持分払戻請求権の相続
2 払戻額>出資金額による払戻し
(1) 退社社員の課税関係
(2) 相続人の課税問題
(3) 医療法人の
課税問題
3 払戻額=出資金額による払戻し
(1) 退社社員の課税問題
(2) 残存出資者の課税問題
(3) 医療法
人の課税問題
4 出資持分の評価と定款規定との関係
(1) 最高裁の判断
(2) 財産評価基本通達-2の意義
(3) 持分
に関する課題
第7節 持分の評価
1 社団医療法人の持分払戻し
(1) 出資額説と出資割合説
(2) 出資額説
(3) 出資割合説
2 持分の評価方法
(1) 前提となる要素
(2) 株式評価との相違
3 具体的な評価方法
(1) 類似業種比準方式
(2) 純資産価額方式
第8節 持分なしの各医療法人への移行手続
1 持分なしの各医療法人への移行形態
2 定款変更の手続
(1) 定款変更の内容
(2) 総社員の同意の有無
3 持分放棄に係る関係者の課税関係
(1) 持分放棄の社員の課税関係
(2) 持分放棄の非社員の課税関係
4 移行対象の医療法人の課税関係
(1) 受贈益課税の有無
(2) みなし贈与税課税の可能性
5 移行の意義と課題
第3章 認定医療法人
第1節 認定医療法人の特徴
1 税制措置の特例
(1) みなし贈与税の非課税
(2) 相続税の納税猶予
(3) 贈与税の納税猶予
2 融資制度
第2節 認定医療法人の認定要件
1 移行計画の認定要件
2 運営に関する要件
3 従来要件の緩和
第3節 認定の取消し
1 みなし贈与税の課税
2 取消事由
第4章 出資額限度法人
第1節 出資額限度法人の特徴
1 出資額限度法人とは
2 出資額限度法人制度の利点
3 出資額限度法人への移行手続
(1) 移行手続
(2) 後戻りの禁止
第2節 出資額限度法人の内容
1 出資額の算定と返還請求権
(1) 出資額
(2) 返還請求権の及ぶ範囲
2 残余財産の帰属
(1) 出資額を限度
(2) 出資額を超える残余財産
第3節 出資額限度法人制度に係る課税
1 課税区分
2 社員への出資払込額の払戻し
(1) 退社の社員
(2) 出資額限度法人
(3) 残存出資者
3 社員の死亡と相続人の課税
(1) 持分払戻請求権としての相続
(2) 相続人による持分払戻請求権の行
使
4 出資者の持分放棄等
第5章 基金拠出型医療法人
第1節 基金拠出型医療法人の特徴
1 基金制度の特性
(1) 基金とは
(2) 対象法人
2 意義と留意点
第2節 基金の手続と課税
1 手続の概要
2 具体的内容
(1) 定款の定め
(2) 募集事項
(3) 拠出の履行
3 経過措置型医療法人からの移行手続
(1) 移行の手続
(2) 持分を基金として拠出
4 移行時の課税
(1) 出資持分の時価相当額の払戻し
(2) 持分の払込金額の払戻し
(3) 払込金額より高く時価相当額より低い払戻し
第3節 基金の返還
1 定時社員総会の決議
2 基金の返還に係る債権
3 代替基金の計上
4 返還限度額を超えた基金の返還
第6章 財団医療法人
第1節 財団医療法人の特徴
1 財団医療法人の概要
2 財団医療法人の役員
(1) 役員の選任
(2) 解任決議と解任の訴え
3 評議員
(1) 評議員の意義
(2) 選任・定数
(3) 評議員の資格
第2節 評議員会
1 法定の決議事項
2 総評議員の同意事項
3 諮問・監督機関の機能
4 評議員会の開催手続
(1) 定時評議員会
(2) 臨時評議員会
5 評議員会の運営
6 評議員会の議事録
第7章 社会医療法人
第1節 社会医療法人の特徴
1 社会医療法人の意義
2 社会医療法人の特徴
3 優遇措置
(1) 社会医療法人債の発行
(2) 税制上の取扱い
(3) 収益事業の実施
4 外部監査
第2節 社会医療法人への移行
1 移行の意義
2 移行の留意点
第3節 社会医療法人の認定要件
1 認定要件の概要
(1) 同一親族等関係者の制限要件
(2) 救急医療等確保事業の実施
(3) 公的運営に関する厚生労働省令の要件
(4) 解散時の残余財産の帰属先
2 都道府県医療審議会の意見聴取
3 社会医療法人の認定取消し
(1) 取消事由の該当
(2) 特例措置
(3) 累積所得金額
第8章 特定医療法人
第1節 特定医療法人の特徴
1 租税特別措置法に基づく法人
(1) 特定医療法人への移行
(2) 税制上の優遇
2 承認の意義と留意点
(1) 移行の意義
(2) 承認の留意点
第2節 特定医療法人としての認定手続
1 持分放棄・定款変更
(1) 具体的手続
(2) 持分放棄と定款変更
(3) 承認に係る課税関係
2 事前審査
(1) 事前審査の概要
(2) 事前審査時の承認要件の充足
3 承認取消の処分
第3節 特定医療法人の承認要件
1 承認要件
2 役員構成と親族要件等
3 特殊関係者に対する特別の利益の禁止
4 承認対象外の法人
第9章 地域医療連携推進法人
第1節 地域医療連携推進法人の特徴
1 地域医療連携推進法人の意義
2 設立・社員等
(1) 設 立
(2) 地域医療連携推進法人の社員
(3) 法人の運営
3 業務内容
4 認定手続
(1) 申請手続
(2) 医療連携推進方針
5 名 称
第2節 医療連携推進認定の基準
1 基準の充足
2 各基準の内容
(1) 目的
(2) 特別の利益供与の禁止
(3) 参加法人の数
(4)
社員の資格の得喪
(5) 社員の議決権
(6) 参加法人の議決権比率
(7) 営利法人等の排除
(8) 役員の数・同族制限
(9) 理事長の数・資格
(10) 医療連携推進評議会の設置
(11) 残余財産の帰属
Ⅱ 医療法人の役員と理事会
第1章 役員の概要
第1節 理事の属性と報酬
1 属 性
(1) 資格と管理者理事
2 理事の報酬
(1) 理事の報酬請求権
(2) 使用人兼務理事の報酬
第2節 理事の義務と行為規制
1 善管注意義務
2 忠実義務
3 競業取引規制
(1) 規制概要
(2) 対象行為
(3) 競業取引の承認
(4) 事後報告
(5) 損害賠償責任と損害額
4 利益相反取引の規制
(1) 直接取引の規制
(2) 間接取引の規制
(3) 兼任役員と機関承認の必要性
(4) 他の会社(法人)の代表者を兼任
(5) 特別利害関係者の規制
(6) 違反の効果
(7) 損害賠償責任
第3節 理事長
1 理事長の選任
2 資格と特例
(1) 資 格
(2) 非医師からの選出
3 業務執行権限
4 代表権の制限と第三者保護
5 表見理事長
第4節 監 事
1 監事の職務と権限
(1) 調査権と監査報告書の作成
(2) 社員総会等の招集権
(3) 理事会の招集請求権と招集権
(4) 違法行為の差止請求権
(5) 法人訴訟の代表権
(6) 監事報酬の協議
2 監事の義務
(1) 一般的義務
(2) 不正行為の報告義務
(3) 議案等の調査義
務
(4) 理事会の出席義務
第5節 役員等の不正行為の是正
1 責任追及の概要
(1) 類 型
2 理事の違法行為に対する差止請求
(1) 監事による差止請求
(2) 社員による差止請求
第2章 理事会の運営と決議
第1節 理事会の意義
1 理事会の権限
2 決議権限の委譲
3 理事会規則の制定
第2節 理事会の招集
1 招集権者
2 招集請求
3 招集通知
第3節 理事会の運営
1 議 長
2 定足数および表決数
3 特別利害関係人の排除と制限
(1) 特別利害関係人の排除
(2) 特別利害関係人の制限
第4節 理事会決議の効率化
1 書面決議
(1) 書面決議の意義
(2) 書面決議の要件
(3) 書面決議の制限
2 テレビ会議方式・電話会議方式
(1) 複数の場所で同時開催
(2) 具体的方法
(3) 理事会議事録
第5節 理事会の決議事項
1 重要な財産の処分・譲受け
(1) 対象となる財産
(2) 処分・譲受
(3) 重要の基準
2 多額の借財
(1) 対象となる取引
(2) 多額の基準
3 重要な役割を担う職員の選解任
4 従たる事務所その他の組織の設置・変更・廃止
5 医療法人の内部統制
(1) 代表権・業務執行
(2) 業務執行の決定
(3) 利益相反行為の規制
(4) 監事の職務
(5) 社員総会・評議員会
(6) 内部統制システムの整備
第6節 理事会の議事録
1 議事録の作成
(1) 作成義務者
(2) 作成時期
2 会議体の議事録の記載事項
(1) 議事録に関する記載
(2) 署名拒否の対応
(3) 中途退席者・欠席者の記載
(4) 罰則
3 書面決議の議事録と登記申請
(1) 議事録の記載事項
(2) 理事長選出に係る登記申請
4 議事録の閲覧対象者と閲覧許可申立
(1) 社員の閲覧謄写請求
(2) 閲覧許可申立て
第7節 理事会決議の瑕疵
1 決議の無効
(1) 無効の主張
(2) 無効原因
2 瑕疵ある理事会決議の対内的効力
(1) 法人内部の事由
(2) 総会招集に係る理事会決議の瑕疵
3 瑕疵ある理事会決議の対外的効力
(1) 取引安全の保護
(2) 心裡留保規定の類推適用
(3) 表見理
事長法理の類推適用
(4) 瑕疵ある社会医療法人債の発行
4 追認の可否と包括的承認
(1) 理事会決議前の重要な業務執行
(2) 事前承認の意図的回避
Ⅲ 役員に対する責任追及
第1章 役員等の対法人責任
第1節 任務懈怠による責任
1 対法人責任
(1) 意義
(2) 監視義務
2 社員代表訴訟の提起
(1) 代表訴訟の手続
(2) 濫訴の防止策
(3) 訴訟参加
(4) 代表訴訟の和解
(5) 費用等の請求
第2節 対法人責任の減免
1 減免制度の概要
2 役員等の減免方法
(1) 減免方法の内容
(2) 無過失責任
3 役員等の責任限定契約
(1) 契約内容
(2) 意義
(4) 定款記載
第2章 役員等の対第三者責任
第1節 職務行為の悪意・重過失による責任
1 医療法48条1項の意義
(1) 不法行為責任との比較
(2) 対第三者責任
(3) 第三者責任の消滅
2 名目的理事の責任
(1) 法的地位
(2) 医療法48条1項の適用
(3) 名目的理事の免責事例
3 理事(長)ではない理事(長)の責任
(1) 事実上の理事(長)
(2) 登記簿上の理事長
(3) 退任理事長
第2節 不実表示による責任
1 重要事実の不実表示
(1) 不実表示
(2) 費用項目の会計処理
2 監事の第三者責任
第3章 補償契約・役員のために締結される保険契約
第1節 補償契約・役員賠償責任契約の概要
1 補償契約等の意義
2 理事会の決議事項
第2節 役員責任の補償契約
1 具体的内容
2 補償費用の返還請求
第3節 役員賠償責任保険契約
1 具体的内容
2 規制対象外の保険契約
Ⅳ 医療法人の定款変更と計算
第1章 定款・寄附行為の変更
第1節 定款・寄附行為の変更手続
1 変更手続の概要
2 変更認可申請書
第2節 変更の効力と登記
1 変更の効力
2 変更の登記
第2章 医療法人の計算
第1節 事業報告書等の作成
1 医療法人の作成書類
2 関係事業者との取引の状況に関する報告書
(1) 関係事業者
(2) 報告書の意義
3 会計帳簿の作成
(1) 会計帳簿とは
(2) 公正妥当な企業会計の慣行
第2節 事業報告書等の監査と開示
1 一般の医療法人の監査
2 外部監査の対象法人
3 事業報告書等の開示と届出
(1) 事業報告書等の開示
(2) 事業報告書等の届出