家庭裁判所における財産管理・清算の実務

不在者財産管理人・相続財産清算人・特別縁故者に対する相続財産分与
本体 ¥ 4,800
¥ 5,280 税込

著者:片岡武・村主幸子・日野進司・川畑晃一・小圷恵子/著
判型:A5判
ページ数:392頁
発刊年月:2023年11月刊
ISBN/ISSN:9784817849076
商品番号:40971
略号:財清

商品情報

―― 令和3年民法改正完全対応 ――
新しい制度下での家裁の運用と参考書式等を完全リニューアル!

● 不在者財産管理人、令和3年改正で名称変更された相続財産清算人の各制度について、新法下の運用における大きな変更点を中心に、運用における大きな変更点を中心に実務を詳説し、最新裁判例等をアップデート。
● 特別縁故者制度について、制度の改正内容とともに、近年大きく件数が増加している特別縁故者による財産分与の申立てから分与の実行までの実務を、最新裁判例を交えつつ解説。
● シリーズを踏襲した ①実務運用の解説 ②設例解説 ③裁判例紹介 の内容構成。
● 申立書式、参考記載例などの実務上参考となる記載例等を多数掲載。

本書は大好評図書『家庭裁判所における成年後見・財産管理の実務』の財産管理編の最新版です!
~『家庭裁判所における成年後見・財産管理の実務』は分割して改訂版を発行しております~
○遺言執行者編→『遺言執行者の職務と遺言執行の要否―改正法を踏まえた実務詳解』(2021年10月刊)
○財産管理編→本書
※成年後見編は今後法改正の状況を見ながら改訂予定です

目次

第1編 不在者の財産管理
第1章 不在者財産管理人
1 不在者財産管理事件における手続の流れ
2 総説 5
 (1) 不在者の意義
 設例1-1 不在者の定義
 (2) 不在者財産管理の意義
 (3) 制度趣旨
3 不在者財産管理人選任の要件
 (1) 不在者自身において財産を管理することができないこと
 (2) 利害関係人又は検察官からの申立てがあること(民25条)
 (3) 管理すべき財産が存在すること 8
4 管轄
 (1) 管轄
 設例1-2 不在者の裁判管轄
 (2) 国際裁判管轄
 (3) 準拠法
 (4) 移 送
 参考1 移送上申書
 設例1-3 複数の管轄裁判所と移送
5 選任
 (1) 申立てがなされる目的
 (2) 申立権者
 設例1-4 不動産購入希望者と不在者財産管理人の選任の申立権
 (3) 申立先
 (4) 申立てに必要な費用等
 (5) 申立てに必要な書類
 設例1-5 不在者財産管理人の選任申立書類の内容
 参考2 不在者財産管理人選任申立書(記載例)
 (6) 遺産分割が申立ての主たる目的である場合
 (7) 管理費用 24
 設例1-6 不在者財産管理費用の予納
 (8) 管理人候補者
 (9) 照会書・回答書
6 審理
 (1) 書記官による申立書の補正等
 (2) 不在の事実の調査
 (3) 参与員からの意見聴取
 (4) 家庭裁判所調査官による事実の調査(家事法58条)
7 審判手続
 (1) 審判
 設例1-7 不在者財産管理人の選任における考慮事情
 参考3 不在者財産管理人選任審判例
 (2) 告知
 (3) 不服申立て
 設例1-8 不在者財産管理人選任審判の不服申立て
8 不在者財産管理人の地位と権限
 (1) 不在者財産管理人の類型
 (2) 不在者財産管理人の地位
 (3) 不在者財産管理人の資格
 (4) 不在者財産管理人の権限
 設例1-9 不在者の財産から支出できる費用①
 設例1-10 不在者の財産から支出できる費用②
 (5) 不在者財産管理人の職務
 参考4 財産目録(記載例)
 参考5 管理経過一覧表①(記載例)
 参考6 管理経過一覧表②(記載例)
 参考7 管理報告書
 設例1-11 不在者財産管理人の報告義務
 設例1-12 不在者の財産管理方法
 (6) 不在者財産管理人の権利・義務
9 不在者財産管理人の権限外行為許可
 (1) 意義
 設例1-13 権限外行為許可の申立書類の内容
 参考8 不在者財産管理人権限外行為許可申立書(記載例① 不動産の売却)
 参考9 不在者財産管理人権限外行為許可申立書(記載例② 遺産分割)
 参考10 不在者財産管理人権限外行為許可審判例 (2) 権限外行為許可と遺産分割 51
 設例1-14 不在者と遺産分割協議①
 設例1-15 帰来時弁済型の遺産分割協議の可否
 設例1-16 不在者の帰来の可能性
 (3) その他の権限外行為許可の要否
 設例1-17 不在者財産管理人の権限外行為許可①(生活費の支出)
 設例1-18 不在者財産管理人の権限外行為許可②(金員の受領)
 設例1-19 不在者財産管理人の権限外行為許可③(保険金契約者の変更)
10 不在者財産管理人の改任
 (1) 不在者財産管理人の改任
 設例1-20 不在者財産管理人の改任
 設例1-21 不在者財産管理人の改任を希望する場合の手続
 (2) 改任の告知等
 参考11 不在者財産管理人改任審判例①
 参考12 不在者財産管理人改任審判例② 
 (3) 改任の場合における管理財産の引継ぎ
11 不在者財産管理人に対する報酬付与
 (1) 手続
 (2) 申立手続
 参考13 不在者財産管理人に対する報酬付与の申立書
 (3) 報酬額の決定
 (4) 報酬支払の時期
 (5) 報酬付与の審判
 (6) 不服申立て
12 管理終了(管理人選任処分の取消し)に向けての管理人の活動
 (1) 意義
 (2) 管理財産の引継ぎ・供託等
 参考14 受領書
 (3) 管理終了の報告
 参考15 管理終了報告書
 (4) 裁判所の措置
 (5) 管理終了に向けての実務の運用
13 不在者の財産の管理に関する処分(管理人選任処分)の取消し
 (1) 意義
 (2) 管理人選任処分の取消し事由
 設例1-22 管理終了事由
 設例1-23 不在者の相続人による管理人の選任の取消し
【令和3年法改正による管理終了事由についての改正】
 参考16 不在者の財産の管理に関する処分に伴う供託原因の記載例(供託書一部抜粋)
 参考17 不在者財産管理人による供託公告(官報掲載例)
 参考18 供託する場合の手順について(フロー図)
 (3) 管理人選任処分の取消しの手続
 参考19 不在者財産管理人選任処分の取消申立書
 (4) 効果
 設例1-24 不在者財産管理人選任処分取消しの効果
 (5) 取消し審判後の管理終了報告
 (6) 取消し審判後に新たに不在者財産管理人を選任する事由が生じた場合
14 不在者財産管理人の心掛け
15 不在者財産管理人に就任した後の手順
 設例1-25 不在者財産管理人の職務の流れ
16 委任管理人
 (1) 権限
 (2) 権限外行為の許可
 (3) 辞任
 (4) 改任
 (5) 報酬
17 失踪宣告
 (1) 意義
 (2) 趣旨
 (3) 類型
 (4) 要件
 設例1-26 失踪宣告の申立権者①
 設例1-27 失踪宣告の申立権者②
 (5) 申立手続
 (6) 審判手続
 参考20 失踪宣告(官報掲載例)
 参考21 失踪宣告(全部事項証明の例)
 (7) 効力
 (8) 不在者が失踪宣告を受けた場合における不在者の得た遺産分割財産の処理
 (9) 失踪宣告事件を処理するに当たっての留意点
 (10) 失踪宣告の申立ての促しと不在者財産管理事件の処理
 (11) 失踪宣告の取消し
 設例1-28 失踪宣告の取消し

第2編 相続財産の清算
第2章 相続人不存在の場合における相続財産清算人
1 相続財産清算事件における手続の流れ
2 令和3年法改正について
 (1) 改正の内容
 (2) 経過措置
3 総説
 (1) 相続人不存在の場合における相続財産清算の意義
 (2) 相続財産法人
4 相続財産清算人選任の要件
 (1) 総説
 (2) 相続の開始
 設例2-1 相続財産清算人選任の可否(失踪宣告があった場合)
 (3) 相続財産の存在
 (4) 相続人のあることが明らかでないこと(民951条)
 設例2-2 数次相続後の相続財産清算人選任
 設例2-3 相続財産清算人選任の必要性①(全部包括遺贈の場合)
 設例2-4 相続財産清算人選任の必要性②(部分的包括遺贈の場合)
 設例2-5 相続財産清算人選任の必要性③(清算型遺贈の場合)
5 管轄
 (1) 管轄
 設例2-6 裁判管轄(相続財産清算人選任)
 (2) 国際裁判管轄
 (3) 移送
 (4) 回付(司法行政処分)
 参考1 移送上申書
6 選任
 (1) 申立てがなされる目的
 (2) 申立権者
 設例2-7 遺言執行者が相続財産清算人に就任することの可否
 設例2-8 相続財産清算人選任申立事件の申立権者(地方公共団体
 (3) 申立先
 (4) 申立費用
 (5) 申立てに必要な書類
 設例2-9 相続財産清算人選任申立事件の申立書類の内容
 参考2 相続財産清算人選任申立書(記載例)
 (6) 清算費用
 設例2-10 相続財産清算費用の予納
 (7) 清算人候補者
 (8) 審理
 設例2-11 相続財産清算人選任時の審査内容
 (9) 審判
 参考3 相続財産清算人選任審判例
 (10) 選任公告
 参考4 相続財産清算人選任及び相続権主張の催告公告(官報掲載例)
 (11) 渉外事件
7 相続人捜索の公告
 (1) 意義
 (2) 趣旨
 (3) 公告時期及び手続
 (4) 公告(催告)期間
 (5) 公告期間内の申出
 (6) 相続人捜索の公告期間満了の効果
 (7) 特別縁故者に対する相続財産分与制度
8 相続財産清算人の権限、職務
 (1) 相続財産清算人の地位
 (2) 相続財産清算人の資格
 (3) 相続財産清算人の権限
 設例2-12 相続財産から支出できる清算費用
 (4) 相続財産清算人の職務
 参考5 財産目録(記載例)
 設例2-13 相続財産清算人の報告義務
9 清算業務の開始
 (1) 清算方針の定立
 (2) 申立人その他関係者からの事情聴取
 (3) 相続財産の調査
 参考6 金融機関への照会例①
 参考7 金融機関への照会例②
 (4) 相続財産の保全
 参考8 登記申請書(相続財産法人名義への付記登記)
 設例2-14 地主が賃料不払いによる賃貸借契約の解除を主張する場合
 (5) 清算に伴う報告
 参考9 第1回清算報告書(記載例)
 参考10 清算経過一覧表(記載例)
 参考11 清算報告書(第2回)
10 相続債権者・受遺者に対する請求申出の公告、催告
 (1) 総論
 (2) 請求申出の公告
 参考12 請求申出の公告(官報掲載例)
 (3) 請求申出の催告 207
 設例2-15 知れたる相続債権者・受遺者の認定
 参考13 相続債権者への請求申出の催告 209
11 弁済
 (1) 弁済拒絶権
 (2) 条件付債権又は存続期間の不確定な債権の弁済
 (3) 弁済の順序
 (4) 不当弁済の責任
 (5) 相続財産の換価
12 相続財産清算人の権限外行為許可
 (1) 総説
 (2) 手続
 設例2-16 相続財産清算人の権限外行為許可申立書面の内容
 参考14 審判例(相続財産清算人の権限外行為許可)
 (3) 許可を得ずにされた権限外行為の効果
 (4) 権限外行為の許可と相続財産清算人による清算の類型との関係
 (5) 権限外行為についての個別的検討
 設例2-17 相続財産清算人の権限外行為許可①(登記申請)
 (6) 権限内行為の検討
13 共有者への持分の帰属
 (1) 意義
 (2) 帰属時期
 (3) 手続
 (4) 民法255条による移転登記前に、共有者に相続が発生した場合
 参考15 登記申請書
 参考16 特別縁故者不存在確定証明書
 設例2-18 特別縁故者不存在確定後の共有者への持分移転登記
 (5) 民法255条の適用の有無が問題となる事例
14 相続財産の破産
 (1) 総論
 (2) 破産申立義務(旧破産法136条2項)の廃止
 (3) 破産手続移行の実情
 (4) 破産手続移行後の相続財産清算手続
 (5) 破産手続移行後の問題点
15 相続財産清算人の改任、選任の取消し
 (1) 相続財産清算人の改任
 参考17 相続財産清算人の改任の公告(官報掲載例)
 (2) 相続財産清算人の辞任
 設例2-19 相続財産清算人の死亡
 (3) 相続財産清算人の選任処分の取消し
 設例2-20 相続財産清算人選任処分の取消し(全部包括受遺者が出現した場合)
16 相続財産清算人に対する報酬の付与 248
 (1) 総説
 (2) 手続
 (3) 報酬額の決定
 参考18 相続財産清算人に対する報酬付与申立書
 (4) 審判
17 国庫帰属
 (1) 総論
 (2) 国庫への帰属時期
 (3) 国庫引継手続
 参考19 国庫帰属手続を求める旨の清算報告書
18 清算終了
 (1) 清算終了(清算人選任処分取消し)に向けての相続財産清算人の活動
 参考20 清算終了報告書①(選任処分取消申立時【国庫帰属手続による清算財産消滅】)
 参考21 清算終了報告書②(選任処分取消申立時【債務弁済による清算財産消滅】)
 参考22 清算終了報告書③(選任処分取消申立時【特別縁故者に対する財産全部分与による清算財産消滅】)
 (2) 相続財産の清算に関する処分(清算人選任処分)の取消し
19 相続財産清算人の就任、職務遂行に当たっての留意点
 (1) 一覧表の作成
 (2) 家庭裁判所との協働
 (3) 収支関係等の報告
20 相続財産清算人の職務の流れ
 設例2-21 相続財産清算人の職務の流れ

第3章 特別縁故者に対する相続財産分与制度
1 意義
2 制度趣旨
 (1) 背景
 (2) 学説
 (3) 借地借家法による保護
3 特別縁故者の範囲
 (1) 被相続人と生計を同じくしていた者
 (2) 被相続人の療養看護に努めた者
 設例3-1 職業的に療養看護に当たっていた者
 (3) その他被相続人と特別の縁故にあった者
 (4) 問題となる類型
 設例3-2 相続放棄後の申立て
 設例3-3 過去一時期の縁故者
 (5) 死後縁故に係る権限外行為許可審判による処理 
4 分与の対象となる財産
 (1) 総論
 (2) 農地、採草放牧地
 (3) 共有持分
 設例3-4 分与の対象となる財産①(共有持分)
 (4) 賃借権
 設例3-5 分与の対象となる財産②(借地権)
 (5) 知的財産権、工業所有権
 (6) 墓地
5 申立て
 (1) 申立権者
 設例3-6 特別代理人選任の要否(特別縁故者と利益相反)
 (2) 申立費用
 (3) 管轄
 (4) 申立関係書類
 参考1 特別縁故者に対する相続財産分与申立書
 設例3-7 特別縁故者の主張を裏付ける資料
 (5) 申立期間 309
 設例3-8 相続財産分与の申立期間経過後の申立て
 (6) 特別縁故者の地位の承継 315
 設例3-9 相続財産分与の申立て前の地位の承継
 設例3-10 相続財産分与の申立て後の地位の承継
 (7) 特別縁故者不存在
6 審理
 (1) 相続財産清算人に対する通知
 (2) 手続及び審判の併合
 参考2 分与申立通知書
 (3) 事実の調査、証拠調べ
 設例3-11 具体的な事実の調査方法
 (4) 相続財産の競売、換価
 (5) 分与の相当性
 (6) 相続財産清算人に対する意見聴取
 参考3 意見書の例①(特別縁故性を「肯定」し、「全部分与する」のが相当とする)
 参考4 意見書の例②(特別縁故性を「否定」し、「申立てを却下する」のが相当とする)
7 審判
 (1) 不請求不分与の原則
 (2) 分与の内容、程度
 (3) 分与審判の種別、方法
 参考5 特別縁故者に対する相続財産分与の審判例
 (4) 却下審判
 (5) 審判の告知
 (6) 不服申立て
 (7) 分与審判の効力発生時期
 (8) 審判確定通知
 (9) 分与審判の効果
8 分与の実行
 (1) 不動産の分与
 (2) 現金の分与
 (3) 預貯金の分与
 (4) 動産の分与
 参考6 特別縁故者に対する相続財産分与の審判に基づく所有権移転登記申請書
 参考7 確定証明書
 (5) 相続財産清算人が財産の引渡しを怠っている場合
 (6) 民法255条の共有者への持分帰属手続
 設例3-12 相続財産清算人が任意に財産の引渡しをしない場合
9 分与審判後に、新たに相続財産が発見された場合の処理
 (1) 学説
 (2) 審判例
 (3) 実務
 設例3-13 分与審判後の追加審判の可否
10 渉外事件
 (1) 準拠法
 (2) 財産所在地法説の根拠
 (3) 審判例
 設例3-14 渉外事件の処理
【特別縁故者に対する相続財産分与申立ての流れ】

事項索引
判例索引
先例索引
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