戸籍法一部改正の概要/難しくないぞ戸籍訂正
新谷雄彦(元公証人/元金沢地方法務局長)
は し が き
去る令和元年6月8日,日本出版クラブ会館(東京都千代田区)において「家族法・戸籍制度研究会」の第36回定例研究会が開催されました。今回の研究会では,元公証人・元金沢地方法務局長の新谷雄彦先生から,「戸籍法一部改正の概要/難しくないぞ戸籍訂正」と題する講演が行われました。
今回の講演におきまして新谷先生は,まず,令和元年5月に成立・公布された戸籍法の一部を改正する法律(令和元年法律第17号)について,その法制審議会戸籍法部会のメンバーであられたご経験・ご見識から,改正経緯を踏まえて分かりやすく,概要のご解説をいただきました。特に,施行期日が近く,ご講演後の現在は実際に施行・運用がされている改正部分について,多くの時間を割いてお話されています。
続いて,難解な印象を持たれやすい戸籍訂正の実務について,「戸籍を読む」ことの大切さを説かれつつ,「そんなに難しくないぞ」というメッセージを込めて,具体的な事例を示しながら丁寧にご解説をいただきました。
本講演で行われた解説につきましては,戸籍実務に携わっておられる方々をはじめとして,家庭裁判所の職員の方々,家族法及び戸籍制度の研究に当たっておられる方々にとっても裨益するところが少なくないと思われます。そこで,今回の戸籍時報特別増刊号においても,講演者及び家族法・戸籍制度研究会の御了承を得て,その講演内容を掲載させていただくこととしました。
終わりに,本誌の編集に際し「家族法・戸籍制度研究会」から賜りました格別のご配慮に対し,厚く御礼申し上げますとともに,本誌が読者の方々のために多少でもお役に立つことができれば幸いです。
読者の皆様には,「戸籍時報」及び同増刊号の編集につきまして,今後とも一層のご指導,ご鞭撻をいただきますよう,お願い申し上げます。
令和元年10月
戸籍時報編集部