家庭の法と裁判 2021年10月号<特集:未成年の子を持つ親の協議離婚の実態と分析>vol.34

本体 ¥ 1,800
¥ 1,980 税込

著者:家庭の法と裁判研究会/編
判型:B5判
ページ数:168頁
発刊年月:2021年10月刊
ISBN/ISSN:9784817847713
商品番号:31009
略号:家判

商品情報

家事事件・少年事件の最新動向を追う唯一の判例雑誌

1号(2015年4月号)~23号(2019年12月号) 記事・裁判例の総索引はこちら(24号所収)
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目次

◆特集 未成年の子を持つ親の協議離婚の実態と分析
・協議離婚制度に関する調査結果の概要とその法的分析
棚村 政行(早稲田大学法学学術院教授)
・協議離婚制度に関する調査研究報告 ─調査結果から見えた協議離婚制度の課題と子への影響─
青木 聡(大正大学臨床心理学科教授)
・協議離婚における養育費,面会交流,財産分与の取り決め実態とその要因
大石亜希子(千葉大学大学院社会科学研究院教授)

◆最高裁判例(1件)
自筆遺言証書に真実遺言が成立した日と相違する日の日付が記載されているからといって同証書による遺言が無効となるものではないとされた事例
(最一小判令和3年1月18日 遺言無効確認請求本訴,死因贈与契約存在確認等請求反訴事件)
(参考)原 審 名古屋高等裁判所平成30年10月26日判決
   第1審 名古屋地方裁判所平成30年4月20日判決

◆家事関係裁判(5件)
同性同士である控訴人と被控訴人において,約7年間にわたり同居し,米国で婚姻登録証明書を取得し,日本国内においても結婚式を挙げるなどしてその関係を親しい人に明らかにし,2人で子を育てることを計画するなどしていたという判示の事実の下では,控訴人と被控訴人の間には,婚姻に準ずる関係があったといえ,被控訴人は,かかる関係から生じる法律上保護される利益を有し,控訴人が第三者と性的関係を結んだことは,上記関係の解消をやむなくさせる行為として,被控訴人との関係で不法行為に該当すると判断した事案
(東京高判令和2年3月4日 損害賠償請求控訴事件,同附帯控訴事件)
(参考)原 審 宇都宮地方裁判所真岡支部令和元年9月18日判決

未成年者らとの直接的な面会交流が相当ではなく,未成年者らを撮影した写真の送付及び未成年者らに対する手紙の送付などの間接的な面会交流が相当とされた事例
(大阪高決令和元年11月20日 子の監護に関する処分(面会交流)審判に対する抗告事件)
(参考)原 審 大阪家庭裁判所令和元年8月20日審判

成年後見人が成年被後見人の預貯金を横領した場合に後見監督人の善管注意義務違反を理由とする損害賠償責任が認められなかった事例
(名古屋高判令和元年8月8日 損害賠償請求控訴事件)
(参考)原 審 名古屋地方裁判所平成31年2月21日判決

アメリカ合衆国籍を有し日本に居住する原告が,アメリカ合衆国籍を有し同国で死亡した亡夫と原告との離婚が,方式の違法ないし離婚意思の欠缺により無効であると主張してその確認を求める事案において,原告及び亡夫にとっては,カリフォルニア州法が本件離婚の準拠法及び離婚の方式の準拠法となるとした上で,同法によれば,協議離婚の方式による離婚は認められていないこと等から,本件離婚は,原告の離婚意思の欠缺について判断するまでもなくその方式において違法であり無効であるとして,原告の請求を認容した事例
(東京家判令和2年3月23日 離婚無効確認請求事件)

夫婦である申立人らの間の体外受精でできた胚を用いて,ウクライナで代理母出産により生まれた未成年者(申立人夫は胎児認知している。)について,申立人らが特別養子縁組の申立てをした事案において,申立人らの養親としての適格性,未成年者との適合性に問題はない一方で,代理母は,そもそも未成年者が申立人らを実親とし,申立人らに監護養育されることを予定して未成年者を懐胎しており,代理母が未成年者を監護することは著しく困難で,未成年者を申立人らの特別養子とすることが,その利益のために特に必要があるといえるなどとして,本件申立てを認容した事例(令和元年法律第34号による改正前の事例)
(静岡家浜松支審令和2年1月14日 特別養子縁組申立事件)

◆少年関係裁判(2件)
少年が,共犯少年と共謀の上,被害者の背部を飛び蹴りして転倒させるなどして金品を強取し,負傷させたという強盗傷人保護事件において,少年を第1種少年院送致とした原決定につき,試験観察に付することを含む在宅処遇の可能性を慎重に検討しておらず,処分が著しく不当であるとして,これを取り消した事例
(福岡高決令和3年1月7日 第1種少年院送致決定に対する抗告申立事件)

保護処分歴のない少年が店舗でコミック本等を2回にわたり万引きしたという窃盗保護事件において,経緯を踏まえると軽微な事案と評価することは相当ではなく,問題性が広がりを見せつつあること,資質面の課題が非行と強く関係し,根深いこと等を指摘し,少年を第1種少年院送致とした事例
(東京家決令和3年2月9日 窃盗保護事件)

◆少年法等の一部を改正する法律の概要
北原 直樹(法務省刑事局付)

◆連 載
外国少年司法事情
第27回 欧州(2) ドイツの少年法制(2)
廣瀬 健二(立教大学法学部特定課題研究員)

更生保護の現場から
第19回 更生保護における犯罪被害者等施策の現状と課題 ─被害者等の声を加害者に届ける心情等伝達制度の運用事例─
堤 美香(東京保護観察所犯罪被害者等相談室保護観察官)

公証家事実務Q&A
第15回 遺言の撤回・変更
松本 清隆(神戸公証センター公証人)

子どもの話を聴くための手法と実践例─司法面接の技法をいかして
第8回 Q&A 第三者による性被害,捜査機関が中心となる代表者聴取について
仲 真紀子(立命館大学OIC総合研究機構教授)

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