目次
◆調停制度100周年に寄せて
家事調停制度の沿革~利用者のニーズの変化に応えて~
弁護士・元広島高等裁判所長官 西岡清一郎
これからの時代のニーズに即した在るべき調停運営の模索~家事調停の最新の取組~
東京家庭裁判所判事 今井 弘晃
◆特 集 実務家による終活支援の実情と課題
・終活をめぐる弁護士相談と受任の実情
弁護士 冨永 忠祐
・弁護士による終活支援の実務と留意点
弁護士 八杖 友一
・お一人様の終活と各種の公正証書の利用
麹町公証役場公証人 齊木 敏文
・高齢期の介護・福祉サービスと終活
社会福祉士・東京大学大学院教育学研究科特任専門職員 佐々木佐織
◆論 説
ニューヨーク州の離婚訴訟におけるディスカバリ制度─日本の離婚調停手続に対する示唆─
ニューヨーク州弁護士・元コロンビア大学客員研究員 白木 敦士
特定少年の保護者について
さいたま家庭裁判所判事 加藤 学
秋田地方・家庭裁判所大館支部判事補 須川 智裕
◆家事関係裁判(4件)
夫名義の複数の不動産,夫婦それぞれの名義の銀行預金を有する夫婦間の財産分与申立事件において,財産分与対象財産中に,夫の両親が夫婦のためにそれぞれの名義で形成した財産が相当額含まれているとして,この事情を民法768条3項にいう「一切の事情」として考慮して財産分与の額及び方法を定めた事例
(東京高決令和3年12月24日 財産分与審判に対する抗告事件)
(参考)原 審 千葉家庭裁判所佐倉支部令和3年8月31日審判
国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律に基づき,母である相手方が,父である抗告人に対し,子らをその常居所地国であるフランス共和国に返還するよう求めた事案において,相手方が主張する返還拒否事由があるとは認められないなどとして,子らの返還を命じた原決定は相当であるとして抗告を棄却した事例
(大阪高決令和2年12月8日 子の返還決定に対する抗告事件)
(参考)原 審 大阪家庭裁判所令和2年9月11日決定
❖婚約の破棄に至る一連の行為が不法行為を構成するとの主張に対して,原告の主張する事項ないし行為ごとに検討し,不法行為の成立を否定した事例
(東京地判令和3年6月7日 損害賠償請求事件)
❖1 公正証書遺言と自書証書遺言が同じ日の午前と午後とに相次いで作成されたケースで,後から作成された自書証書遺言には,遺言者の自書性,遺言能力に問題があるとして,その効力が争われた事例において,後の自筆証書遺言は真正に作成された有効なものであり,これにより先の公正証書遺言は撤回されたものと判断された事例
2 自筆証書において,受遺者の氏名と続柄が一致しないケースで,遺言者と受遺者の交流関係や遺言者が周囲に表明していた事柄から,氏名の記載は勘違いないし記憶違いによる誤記であると認定した上,正しい氏名の受遺者に遺贈されたものと判断された事例
(神戸地判令和元年10月24日所有権移転登記手続等請求事件(本訴),2自筆証書遺言書無効
確認反訴請求事件(反訴))
◆少年関係裁判(1件)
❖送致された非行事実の一部について事実が認められないことを理由として保護処分に付さ
ない旨の決定を受けた少年について,少年の保護事件に係る補償に関する法律3条2号を
適用して,補償の全部をしない旨の決定をした事例
(那覇家決令和3年11月2日 少年補償事件)
◆「新しい運営モデル」の下での間接交流の検討・調整における留意点について
東京家庭裁判所面会交流プロジェクトチーム
◆「更生保護法」及び「犯罪をした者及び非行のある少年に対する社会内における処遇に関する規則」の改正とその運用について
法務省保護局観察課専門官 平畑 昇平
◆連 載
少年実務 THE BASICS AND BEYOND
第3回 移送・回付をめぐる諸問題
釧路地方・家庭裁判所帯広支部判事補 髙田 浩平
外国少年司法事情
第31回 欧州(6) ドイツの刑事事件・少年事件等の概況(1)
立教大学法学部特定課題研究員 廣瀬 健二
更生保護の現場から
第22回 更生保護施設やんばる青年隊(一般社団法人沖縄産業開発青年協会)
~その概要と保護観察対象者への処遇~
法務省那覇保護観察所長 岡田 和也
更生保護施設やんばる青年隊施設長 座間味秀樹
公証家事実務Q&A
第18回 公正証書遺言の検索,閲覧,正謄本の請求
札幌中公証役場公証人 竹内 純一
子どもの話を聴くための手法と実践例 ─司法面接の技法をいかして
第11回 司法面接のトレーニングとピアレビュウ
理化学研究所理事・立命館大学OIC総合研究機構客員教授 仲 真紀子