家庭の法と裁判 2022年12月号<特集:現代の薬物非行 ――大麻非行を中心に>vol.41

本体 ¥ 1,800
¥ 1,980 税込

著者:家庭の法と裁判研究会/編
判型:B5判
ページ数:168頁
発刊年月:2022年12月刊
ISBN/ISSN:9784817848543
商品番号:31009
略号:家判

商品情報

家事事件・少年事件の最新動向を追う唯一の判例雑誌

1号(2015年4月号)~23号(2019年12月号) 記事・裁判例の総索引はこちら(24号所収)
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目次

◆特集 現代の薬物非行─ 大麻非行を中心に

・少年の大麻事犯の情勢について
 警察庁生活安全局人身安全・少年課課長補佐 亀山 直樹

・大麻非行の調査・審判における工夫・留意点
 福岡家庭裁判所判事補 窓岩 亮佑
 福岡家庭裁判所家庭裁判所調査官 今井 奈津

・少年院における大麻問題を抱えた在院者の処遇の実情について
 法務省矯正局少年矯正課上席補佐官 滝浦 将士
 法務省矯正研修所効果検証センター効果検証官 坂井 智美

・保護観察における大麻の経験を有する少年の対応について
 東京保護観察所首席保護観察官 朝倉 祐子

◆最高裁判例(2件)
❖父母以外の第三者で事実上子を監護してきたものが子の監護をすべき者を定める審判を申し立てることの許否
(最一小決令和3年3月29日 子の監護に関する処分(監護者指定)審判に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件)
(参考)原 審 大阪高等裁判所令和2年1月16日決定
    原々審 大阪家庭裁判所令和元年9月27日審判

❖父母以外の第三者で事実上子を監護してきたものが上記第三者と子との面会交流について定める審判を申し立てることの許否
(最一小決令和3年3月29日 子の監護に関する処分(面会交流)申立て却下審判に対する抗告審の取消決定に対する許可抗告事件)
(参考)原 審 大阪高等裁判所令和元年11月29日決定
    原々審 京都家庭裁判所令和元年8月15日審判

◆家事関係裁判(6件)
❖被相続人を保険契約者兼被保険者とし,共同相続人の1人を死亡保険金の受取人とする生命保険契約に基づく死亡保険金請求権について,民法903条の類推適用による特別受益に準じた持戻しを否定した事例
(広島高決令和4年2月25日 遺産分割申立認容審判に対する即時抗告事件)
(参考)原 審 広島家庭裁判所令和3年12月17日審判

❖相手方(妻)が抗告人(夫)に対し,婚姻費用の分担金の支払を求めた事案において,婚姻費用分担額の算定に当たっては生活保護費を収入と評価することはできないとし,相手方の病歴や障害等級,就労実績,医師の見解,現在の状況等に鑑みて,現時点においては,相手方に潜在的稼働能力があるとは認められないとして,抗告人に婚姻費用の分担金の支払を命じることは相当であるとした事例
(東京高決令和4年2月4日 婚姻費用分担審判に対する抗告事件)
(参考)原 審 さいたま家庭裁判所越谷支部令和3年10月21日審判

❖相手方が抗告人に対し,未成年者の監護者を相手方と定めるとともに,未成年者の引渡しを求めた事案において,抗告人による監護状況の改善や相手方と未成年者との面会交流の段階的実現といった新たな事情に加え,従前の主たる監護者が抗告人であったこと,相手方において未成年者の監護実績が乏しいことなどを指摘し,原審判を取り消し,未成年者の監護者を抗告人と定め,相手方による未成年者の引渡しを求める申立てを却下した事例
(東京高決令和3年8月6日 子の監護者の指定及び子の引渡し審判に対する抗告事件)
(参考)原 審 東京家庭裁判所令和2年10月9日審判

❖離婚した抗告人(母A)と相手方(父B)の間において,未成年者ら(C,D)の親権者である相手方が前件調停条項により未成年者らを監護する抗告人に対し,未成年者らを相手方に引き渡すよう求めた事案において,原審は,前提とされた前件調停条項の面会交流が実施されないことから,相手方自身が監護するために未成年者らの引渡しを求めているのであるから,未成年者らの福祉に反することが明らかな場合など特段の事情がない限り,抗告人は,これを拒むことができないと判断して,相手方の申立てを認めたが,抗告審は,前件調停条項どおりの面会交流が実施できなかった責任が主として抗告人にあるとはいえず,相手方は,前件調停条項における抗告人への未成年者らの監護の委託を解除することができないから,抗告人は,現在でも相手方から委託されているというべきであるとした上で,抗告人による監護状況や未成年者らと相手方又は抗告人との親和性,未成年者らの意思等を総合考慮すると,子の福祉の観点から,現時点において,未成年者らを相手方に引き渡すのは相当でないと判断して,原審判を取り消し,相手方の申立てを却下した事例
(東京高決令和3年5月13日 子の引渡し審判に対する抗告事件)
(参考)原 審 横浜家庭裁判所令和2年11月12日審判

❖遺産分割の審判を本案とする審判前の保全処分における被保全権利は,既存の権利ではなく,本案の終局審判で形成される具体的権利であると解され,その発令には本案の終局審判で当該係争物の給付が命ぜられる見込みが一応あるといえることの疎明を要するとした事例
(東京高決令和3年4月15日 審判前の保全処分(遺産分割)申立却下審判に対する抗告事件)

❖被相続人の相続人(長女)である控訴人(1審原告)が,被相続人と共同経営者であった被控訴人(1審被告)に対し,被相続人の生前,同人の意思に基づくことなく5270万円余の送金等を受けて金員を領得したと主張して,不当利得返還請求権に基づき控訴人の法定相続分(2分の1)に相当する2940万円余の支払を求めた事案において,二度にわたる贈与契約の締結当時,被相続人が意思能力を有していなかったとは認められず,被控訴人への送金等は有効な贈与契約の履行としてされたものであり,法律上の原因なくされたものではないから,控訴人の請求は理由がないとした原審の判断が維持された事例
(東京高判令和2年9月29日 不当利得返還請求控訴事件)
(参考)原 審 さいたま地方裁判所令和2年1月30日判決

◆少年関係裁判(2件)
❖児童自立支援施設入所中の少年が,保護者の正当な監督に服さず,施設職員に傷害を負わせるなどし,将来においても罪を犯すおそれがあるというぐ犯保護事件及び強制的措置許可申請事件において,前者について少年を児童自立支援施設に送致するとともに,後者について事件を児童相談所長に送致し,強制的措置を許可した事例
(千葉家決令和4年3月29日 ぐ犯保護事件及び強制的措置許可申請事件)

❖少年が,共謀の上,被害者に対し,暴行を加え,現金を強取して傷害を負わせるなどした強盗致傷,強盗及びぐ犯保護事件において,ぐ犯事実は強盗致傷及び強盗の非行に吸収されるとした上で,試験観察により少年の問題性の根深さやその矯正の難しさが浮き彫りになったこと等を指摘し,少年を第1種少年院送致とした事例
(東京家決令和4年1月13日 強盗致傷,強盗及びぐ犯保護事件)

◆相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律施行令の概要
法務省民事局付 森下 宏輝

◆相続登記の義務化・遺産分割等に関する認知度等調査結果の概要
法務省民事局付 新居 拓馬
法務省民事局民事第二課法規係員 岩井 智樹

◆連 載 少年実務 THE BASICS AND BEYOND
 第4回 観護措置をめぐる諸問題
  広島高等裁判所松江支部判事 福嶋 一訓
 
 外国少年司法事情
 第32回 欧州⑺ ドイツの刑事事件・少年事件等の概況⑵
  立教大学法学部特定課題研究員 廣瀬 健二
 
 少年矯正の現場から
 第23回 薬物事犯の少年の鑑別について~大麻を中心に~
  札幌少年鑑別所函館少年鑑別支所分所長 東山 哲也

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