現代における戸籍の意義と役割
窪田充見(神戸大学大学院法学研究科教授)
第1部 講演
ご挨拶
はじめに
第1 戸籍制度に関する基本的な問題意識
1 明治時代以降の100年以上の歴史を有する戸籍制度?
2 民法と戸籍法との関係
3 変遷してきた戦前の「戸籍」の性質(「戸籍」と「家籍」)
第2 近時の戸籍法改正?@─戸籍データのネットワーク化
1 戸籍制度に関する研究会
2 法制審議会戸籍法部会(第1ラウンド)
(1) 戸籍副本データ管理システム
① 各自治体における戸籍情報の電子データ化の状況
② 連携した戸籍データの利用と互換性をめぐる問題
(2) 改正のポイント
(3) 改正の意義
2 戸籍データのネットワーク化が投げかける課題
(1) 戸籍データのネットワーク化(クラウド上の戸籍情報)と紙の戸籍
① 本籍地という概念とその役割?
② 同氏親子同一戸籍原則(紙の戸籍を前提とする「戸籍感情」をめぐる問題)
(2) 戸籍事務内連携と自筆証書遺言保管制度の有する可能性
第3 近時の法改正?A─氏名の読み仮名の戸籍事項化
1 氏名の読み仮名を戸籍事項化することの意義
(1) 氏名の仮名表記の戸籍事項化の契機
(2) 改正のポイント
① 「氏名の読み仮名」の許容性
② 氏名の読み仮名の収集
③ 氏名の読み仮名の変更
2 法制審議会における議論
(1) 氏名の仮名表記と我が国の命名文化
① キラキラネームという問題
② 我が国の命名文化
(2) 氏名の読み仮名に関する収集方法
第4 戸籍法改正をめぐる作業を振り返って
(1) 戸籍法を学ぶことの難しさ
(2) 法制審議会の役割と課題
第2部 質疑応答
質疑応答
第3部 巻末資料
資料1 戸籍法の改正に関する要綱案
資料2 戸籍法の改正に関する要綱案のたたき台
資料3 戸籍法等の改正に関する要綱案(案)についての補足説明
資料4 戸籍法等の改正に関する要綱案
資料5 氏名の読み仮名の法制化に関する研究会取りまとめ