全訂第三版補訂 相続における戸籍の見方と登記手続
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昭和六一年四月一日に本書の初版を、その五年後の平成三年二月には増補版(一版)を、さらに五年後の平成八年九月には増補二版を重ねるほどに多くの方々にご利用を賜り、著者にとって至上のよろこびであります。このような皆様のご期待に一層副うべく、このたびは既刊のものに新事例を追加するとともに、更に平成一一年一二月八日公布された新しい成年後見制度の関連四法関係につき、立法関係者のご見解を基に述べたものを増補のうえ新版といたしました。この新制度は平成一二年四月一日から施行されていますが、戸籍と登記の双方の事務に関連をもっております。ところで、本制度は、精神障害のある成年者の方を現状に適するように保護することを目的として企画立案され、従前の禁治産、準禁治産の制度も発展的に改善されました。新しい成年後見制度は、従前の「禁治産宣告」を「後見開始の審判」と、従前の「準禁治産宣告」を「保佐開始の審判」とそれぞれ改めるとともに、新たに障害の程度の軽い方を対象に「補助」の制度を設けるほか、将来の精神障害による判断能力の低下に備えて本人があらかじめ任意後見契約ができる後見制度も創設されました。そして新しい成年後見制度は、その登録、公示を戸籍によらないで、新設の後見登記所における登記という新方式(財産権に対する代理権の範囲を具体的に設定された場合に、従来の戸籍の記載方式では対応できない面も考慮されている)が採用されました。もっともこれらは、本年四月一日以降に発効新版の刊行について11  新版の刊行について  

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