全訂第三版補訂 相続における戸籍の見方と登記手続
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日本司法書士会連合会は、全国の司法書士会と連携して、ここ数年来、相続登記手続促進のキャンペーンを実施し、相続登記を可及的すみやかに済ますことが種々の面で得策である旨を国民に呼びかけている。それは、宿命的な人間行態の多様性に伴って親族関係の発生・変更・消滅が常ならず、また、同世代から次世代への拡がりに伴って実際的親族関係の稀薄化をもたらすことに起因して、相続登記手続を放置することがひいて相続人同士の軋轢と財産権の不安定の度を増すことを憂えるとともに、司法書士の登記専門職能としての一面で国民の法生活上の幸福を念願すること切なるものがあるからである。この視点からは、相続人の間での仁誼にもとづく遺産分割などの協議が大切であるが、それにつけても、相続人の探索と認定がまず大前提となる。そのためには、何としても、戸籍の見方の巧拙がすべてを決する。このことは、一方で、司法書士が行う裁判事務においても同然である。つまるところ、相続適格者の認定こそは、相続にまつわるすべての法的手続の第一関門となるものであって、その開門の妙技を示す書物が渇望されてやまないところである。このたび、先例と実務を中心に問答形式と類型別の詳細を附し、戸籍のシステムからその見方と相続登記についてまでの集成として、髙妻・荒木の両著者による本書の上梓をみるにいたったことは、まさに、待望された第一関門の推薦のことば1  推薦のことば      

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