入実
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第1章2 入管手続を理解するためには,旅券(パスポート),査証(ビザ),在留資格等の基本的な知識が必要となります。⑴ 旅券(パスポート)の由来 最初に,皆さんが外国旅行をする際に使用する旅券(パスポート)の由来について考えてみましょう。 パスポートという英語は,中世フランス語のパスポール(Passeport)の借用語であり,出入りする(Passer)と港(Port)を併せたものであって,船舶の出港又は入港の許可証であったようです。 旅券(パスポート)はその後,人間についても自由に旅行することを許可するために交付される文書となり,ローマ帝国でもローマの支配地域内を通行する使者や特別の者に対して,青銅版の公文書などが与えられたと言われています。 いずれにしても日本に入国する外国人は,出入国管理及び難民認定法(以下,「入管法」という。)に定める有効な旅券(パスポート)を所持していなければなりません。⑵ 入管法上の旅券(パスポート)の定義 旅券(パスポート)については,入管法では次のように定めてあります。 入管法第2条第5号は,旅券(パスポート)とはイ 「日本国政府,日本国政府の承認した外国政府又は権限のある国際機関の発行した旅券又は難民旅行証明書その他当該旅券に代わる証明書(日本国領事官等の発行した渡航証明書を含む。)」及びロ 「政令で定める地域の権限のある機関の発行したイに掲げる文書に相当する文書」(政令で定める地域は,台湾並びにヨルダン川西岸地区及びガザ地区)と定義しています。 これを簡単にいえば,ある人が外国に旅行する場合に,本国(又はその居住国)の政府が外国の当局に対し,本人の身元を明らかにし,旅行中の便宜や入管法を知るために(基礎知識)1.旅券(パスポート)とは? 〜入管法の基本を押さえておこう〜

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