の創設等が行われました(昭和37年法律第40号,同年7月1日施行)。 次いで,昭和55年には,配偶者の相続分が引き上げられるとともに,被相続人の財産の維持・増加に特別の寄与をした相続人に対し,法定相続分に上乗せして遺産から相当額を与える寄与分制度が創設されたほか,兄弟姉妹の代襲者の限定,遺留分の見直し等の重要な改正が行われました(昭和55年法律第51号,昭和56年1月1日施行)。 その後,平成11年には,聴覚・言語機能障がい者にも手話通訳又は筆記によって公正証書遺言等をする途が開かれました(平成11年法律第149号,平成12年1月8日施行)。また,平成16年には,民法の現代語化等を目的とした全面的改正が行われ,既に平仮名・口語体となっていた第4編及び第5編についても,条文見出しと項番号を付する等の整備が行われました(平成16年法律第147号,平成17年4月1日施行)。なお,平成23年には,旧家事審判法に代わって家事事件手続法(平成23年法律第52号)が成立し,平成25年1月1日から施行されました。 さらに,平成25年には,民法900条4号ただし書の規定のうち嫡出でない子の相続分を嫡出子の相続分の2分の1とする部分は憲法に違反するとした最高裁平成25年9月4日大法廷決定を受けて,当該ただし書部分を削除し,嫡出でない子の相続分を嫡出子の相続分と同等とする改正が行われました(平成25年法律第94号,同年12月11日施行)。 このように,現行相続法については,昭和22年の抜本的な制度改正後,部分的な改正が行われてきましたが,平成30年には,高齢化社会の進展や家族関係の多様化など社会情勢の変化に対応するため,民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律(平成30年法律第72号)による相続法制の大幅な見直しが行われました。 平成30年改正は,大要,①配偶者の居住権の保護(配偶者居住権及び配偶者短期居住権の創設),②遺産分割等に関する見直し(遺産分割前の預貯金の払戻し制度の創設等),③遺言制度に関する見直し(自筆証書遺言の方式第2 新民法(現行相続法)の改正経過 32 平成30年改正
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