相登
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10 第Ⅰ部 第2章 相続の開始 失踪宣告をするためには,普通失踪の場合には,不在者の生死不明が7年間(始期は家出の日,最後の音信の日など),特別失踪の場合には,危難遭遇者の生死不明が1年間(始期は危難が去った日)をそれぞれ経過することが必要です。⑵ 失踪宣告の手続 失踪宣告は,利害関係人からの申立てに基づき,不在者の従来の住所地又は居所地を管轄する家庭裁判所の審判によって行われます(民30条,家事148条,別表第一56項)。利害関係人は,配偶者,親権者,推定相続人,不在者財産管理人など,失踪宣告を求めるについて重大な法律上の利害関係を有する者でなければなりません。 失踪宣告の申立てがあると,家庭裁判所は,必要な調査をした上で,公示催告の手続を採り,普通失踪にあっては3か月以上,特別失踪にあっては1か月以上の催告期間が満了し(家事148条3項),かつ,民法30条所定の要件を充足すると認めるときは,審判をもって失踪宣告をします。 失踪宣告の審判は,即時抗告期間の経過により確定し(家事74条2項,148条5項),審判が確定したときは,裁判所書記官は,その旨を公告し,かつ,失踪者の本籍地の市町村長に通知します(家事規89条1項)。また,申立人の届出に基づき,失踪者の戸籍にその記載がされます(戸94条,63条1項,23条)。〔戸籍記載例 失踪宣告の場合〕⑶ 失踪宣告の効果 失踪宣告の審判の確定により,普通失踪の場合には7年の失踪期間が満了した時,特別失踪の場合には危難が去った時に死亡したものとみなされます(民31条)。これを擬制死亡といいます。審判が確定した時ではなく,普通失踪にあっては失踪期間満了の時,特別失踪にあっては危難が去った時に遡って相続が開始しますので,例えば,父の普通失踪後に子が出生し,その子の失踪宣告【死亡とみなされる日】平成4年3月10日【失踪宣告の裁判確定日】平成6年8月5日【届出日】平成6年8月7日【届出人】親族 甲野啓次郎

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