定款
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絶6(ウ) その他① 責任追及等の訴えに係る訴訟における和解に際しての監査役等の同意の要件化② 議決権行使書面等の閲覧請求に資しての理由開示、一定の場合における閲覧拒③ 会社の登記に関する見直しa 会社の支店所在地における登記の廃止(令和元年会社法改正前の930条から932条までが削除。改正法公布の日から3年6月以内の日に施行)b 登記情報提供サービスにおける株式会社の代表者の住所の記載された登記事項証明書の制限(商業登記規則及び電気通信回線による登記情報の提供に関する法律施行規則の改正により令和4年12月以降に実施される見込み)c 商業登記法改正による法人設立時の印鑑届出義務の廃止1 定款の意義 定款は、社団法人の目的、組織並びにその業務執行に関する自治規範としての根本規則であり、定款の作成自体が社団法人の設立行為である(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律10条)。この規範(決まり)としての定款は、実質的意義における定款といわれ、これを書面又は電磁的記録化したもの、すなわち、書面又は電磁的記録としての定款が形式的意義の定款といわれる。 社団法人には、会社法上の会社を含む営利を目的とする(剰余金・残余財産の分配を目的とする)営利法人、特別法による法人、営利を目的としない一般社団法人、公益認定を受けた公益社団法人等があるが、いずれも、その設立には定款を作成しなければならない。 本定款事例集は、主に株式会社の定款について解説するものであり、以下、株式会社を中心に記述することとする。2 定款自治 株式会社は、有限責任を原則とした会社形態であり、その出資者である株主の地位は、株式として原則的に自由に譲渡できるもので、株主間の人的関係が希薄なことから、株主間及び債権者との間の権利義務関係を法で規制することが必要であり、平成17年改正前商法においても一定の規制がされていた。しかし、他方、すべて強行法規で規制したのでは、会社の自主性を妨げ、自由な競争を阻害することから、強行法規に反しない部分では会社の自治に委ねることとしている。この自治に係る部分を規則化したものが定款であり、自治規範である。会社法は、平成17年改正前商法から定款自治の範囲を拡大し、会社経営の機動性、柔軟性を向上させている。定款自治の拡大については、後記第3節を参照されたい。3 定款の規範性 株式会社の定款を作成することは、実質的意義の定款すなわち定款の内容を定め、これを書面又は電磁的記録をもって作成すること(形式的意義の定款)であるが(会社26条)、会社法は、形式的意義の定款の作成までを求めている。第1章 会社法と定款第2節 定款の意義と機能

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