推薦のことば 平成18年に施行された会社法により、定款自治の範囲が拡大され、その規律の多様性・柔軟化により会社経営の機動性・柔軟性の向上が図られてきました。 また、令和元年12月に成立した改正法は、株主総会資料の電子提供制度の新設や、取締役等への適切なインセンティブの付与など、会社実務に大きな影響を与えるものです。 私たち司法書士は、これまで不動産登記・商業法人登記の専門家として、不動産取引の安全と法人の公示の充実を図り、登記制度に対する信頼を維持向上させ、それらを通じて市民の権利を擁護してまいりました。これからも今まで以上に、常に市民の皆様が抱える困りごとに向き合い、「身近なくらしの中の法律家」として期待に応えられるよう活動を続けてまいりたく思っております。 本書は、令和元年の会社法改正を踏まえて改訂がなされた第4版であり、現行会社法における定款の事例について実務上の運用を踏まえ、その構成、申請方法から文例の解説、記載例を体系的に提示しています。それにより、定款による会社の機関設計を考える上での指針を示し、単なる定款の参考例としてだけではなく、コロナ禍において急速に進んだ対応事項等も含め、会社定款の今後の在り方について、あらゆる角度から検証された有意義な書籍であると考えます。 本書は、司法書士をはじめ、定款に関わる実務家にとって必携の書であると考え、多くの皆さんにお読みいただきたく推薦する次第です。 令和3年2月推薦のことば日本司法書士会連合会会長 今 川 嘉 典iii
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