改訂版境界の理論と実務
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iv初版はしがき問題を取り扱う裁判官,弁護士,司法書士等の法律実務家にとっても参考となる事項にも多く言及していることから,それらの法律実務家にも読んでいただきたいと願っている。 筆者が,裁判実務や法務局実務あるいは法務総合研究所教官等を長年経験して改めて思うことは,土地境界に係る事務を所管する官公署が多種多様であり,境界についての理解や取組みもさまざまであって,相互の連携に乏しく,情報の共有等の点で縦割り行政の弊害が顕著に現れているということである。本書は,これまであまり試みられたことのない各種の境界実務の横断的な把握と検討を行っている。もちろん筆者の実務経験は限られたものである上,資料収集等の能力にも限界があることから,極めて不十分なものではあるが,実務に携わる者の一人として,実務上生起する法律問題をできる限り多く取り上げた。その意味において民法学者,行政法学者の方々にも参考となればと思っている。 本書の刊行に当たっては,日本加除出版の朝比奈耕平さんに一方ならずお世話をいただいた。この場を借りて厚く御礼申し上げたい。   2009(平成21)年4月寳 金 敏 明 

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