本書の改訂版が刊行された平成24年7月から4年9か月が経過しました。この間,いくつかの法令の改正があり,また,不動産登記事務の取扱いに関する新たな通達等も出されました。 まず,平成25年1月1日から家事事件手続法及び非訟事件手続法が施行され,これまで運用されてきた家事審判法等は廃止されましたので,今回の補訂の機会に家事事件手続法等の新法に改めました。 次に,不動産登記事務においては,従前,登記の申請人が会社その他の法人であるときは,添付情報として当該法人の代表者の資格を証する情報の提供が求められていましたが,行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律による商業登記法の改正により,それまで法務省民事局長通達により運用されていた会社法人等番号が法制化されたことを受けて,不動産登記の申請人が会社法人等番号を有する法人であるときに提供すべき添付情報が,当該法人の代表者の資格証明情報から当該法人の会社法人等番号に変更されました。 さらに,不動産登記法63条1項に基づく確定判決による登記の前提として,代位による相続登記が必要とされる場合,あるいは同法62条に基づき登記義務者(被相続人)の相続人らが申請人となる場合において,当該相続人らを相手方として登記手続を命ずる確定判決を得たときは,相続証明情報又は一般承継証明情報として,相続を証する戸籍や除籍,改製原戸籍の謄本等の提供が求められています。従前,相続を証する除籍,改製原戸籍の一部の滅失等により,その謄本を提供できないときは,戸籍及び残存する除籍等の謄本のほか,滅失等により「除籍等の謄本を交付することができない」旨の市町村長の証明書及び「他に相続人はない」旨の相続人全員の証明書の提供を要するとされていましたが,平成28年3月11日付け法務省民事局長通達により,「他に相続人はない」旨の証明書の提供を要しないものとされました。 この補訂版では,上記の法令改正や登記実務の取扱いの変更等を盛り込んだほか,記述内容について若干の見直しを行いました。改訂補訂版はしがき 3改訂補訂版はしがき
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