民事訴訟法133条1項 訴えの提起は,訴状を裁判所に提出してしなければならない。第1章 民事訴訟法と法律事務8とあります。つまり,裁判したけりゃ訴状を出しなさいよ,と法律で決められているから,「みんなそうしてる」わけですよ。 それでは,どうして条文はこんなふうに決めているんでしょうか?このように規定しているからには,それ相応の理由(こういう条文をつくった根拠)というものがあります。それを「条文の趣旨」といいます。法律にはこの「趣旨」というものが必ずあり,それを理解することが法律の勉強のポイントになります。 では,この民事訴訟法133条1項の趣旨はなんでしょうか? まず,訴えが出されたら,① 裁判所としてはその訴えが適法かどうか,つまり裁判所が解決できる問題かどうかを検討する② 訴訟が提起された相手(被告)には,そのこと(「あなたは,○○のことについて,△△さん(原告)から訴えられましたよ」ということ)を通知する③ 被告としては,訴えられたことに対して反論(言い分)を準備して戦うなどのことが必要になってきます。これらを全部,実際に会って話をしたり,電話でやりとりしていたら……。人から人へ口伝していったら(伝言ゲームのように)話が変わってしまうかもしれません。それに会ったり電話したりするのは時間もとられます。 でも「訴状」という書面にして裁判所に提出すれば,裁判所としてはそこに書かれていることを吟味し,また被告は,その「訴状」を読めば,何について訴えられたか,どういう理由で訴えられたかが一目瞭然です。だから,「訴状」を提出するのです。これが民事訴訟法133条1項の趣旨です。
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