第3 訴えの提起に至るまでの具体的な事務手続(訴状作成から提出まで)17る利益が確定した額面で表されません。そこで,非財産上の請求については,160万円とみなすこととされています。株主代表訴訟がこれにあたります(会社847条6項)。 2つ以上の請求を併合して求める場合には,各請求の価額を合算したものを訴額とします(民訴9条1項前段)。 ただし,主張する利益が各請求で共通する場合は,その共通する限度で各請求の価額を吸収し最も多額のものをもって訴額とすべきであるので,各請求額を合算しません(民訴9条1項後段)。 果実,損害賠償,違約金,費用などを1つの訴えにおいて,その発生原因となった主たる請求(元金)に附帯して請求する場合,附帯請求については訴額に算入しません(民訴9条2項)。 一番身近にある例とすれば,利息や損害金の請求でしょう。元金と併せて,一定の利息や損害金を一緒に請求する場合,この利息や損害金は「(法定)果実」となるので,元金のみが訴額となり,利息や損害金は附帯請求となります。③ 財産上の請求で算定が極めて困難なものについても,訴額は160万円とみなす(民訴費4条2項後段) 財産上の請求であっても,金銭的に評価することが困難なものもあります。そういう請求については,訴額を160万円とみなすこととしています。④ 併合請求の訴額合算の原則と例外⑤ 附帯請求不算入の原則 手数料は通常,収入印紙を訴状に貼付する方法によって納めますが,納付する手数料の額が100万円を超えるような場合,現金で納付することもできます(民訴費8条ただし書,民訴費規4条の2第1項)。
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