i 平成から令和へのバトンタッチの直前,平成31年3月に本書第3版を刊行してから,早いもので3年余りの歳月が経過しました。本書は,戸籍行政の実務に携わっておられる皆様,特に初任者の方へ向けて,できる限りその基本について分かりやすくお伝えできるようにとの想いを込めて作成したものです。おかげさまで,大変多くの方々に,ご愛読をいただき,このたび,再び版を重ねることとなりました。心から感謝申し上げますとともに,身の引き締まる思いでおります。 この間,本書が解説しております,戸籍実務の根拠となる関連法に関して,一番の基本法である民法をはじめ,大変重要な法改正がありました。具体的に主なものを挙げると,まず,民法では,平成30年法律第59号の改正が本年(令和4年)4月1日に施行されたことにより,婚姻適齢は男女とも18歳へ統一され(731条),また成年年齢も18歳へ引き下げられました(4条)。これにより,従来は必要とされていた未成年者の婚姻における父母の同意や,成年擬制といった制度は廃止されています。一方,これまで成年に達することが要件とされていた身分事項に関する年齢要件については,例えば,養子縁組をすることができる年齢は20歳とされるなど,改めてその内容ごとに,社会的な成年年齢と合わせるのか,20歳という年齢が相当であるのかといった検討と調整が行われ,改正されています。同じく,令和元年法律第34条の改正では,特別養子縁組をすることができる養子の年齢が15歳へと引き上げられています。 また,戸籍法においても,令和元年法律第17号により,死亡届の届出資格者に任意後見受任者が追加されたり,「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律」(令和3年法律第37号)により,届書への押印については義務ではなく任意とされたりなど,基本的な事項についての改正がなされています。 このような重要な改正がされたこともあり,このたび,本書の版を重ねるにあたって,必要な修正および今回の法改正に関する情報を追加し,補訂版として,改めて皆様にお届けすることといたしました。第3版補訂の刊行にあたって第3版補訂の刊行にあたって
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