入法
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4 その結果,1981(昭和56)年改正により「出入国管理及び難民認定法」と名称を変更し,「法」という名称が付与されました。しかし,依然として,形式的には,政令(ポツダム政令)であり法律ではありません。したがって,法律番号ではなく,現在も,「政令第319号」として存在しています。そのため,その第1条(目的)においては,他の多くの法律が行っているような「この法律は,(中略)を目的とする。」との規定を持つことができず,「出入国管理及び難民認定法は,(中略)を目的とする。」との表現が用いられています。同様の表現は,2条,2条の2,69条の2及び69条の3においても使用されています。 この1951年制定の出入国管理令は,米国からのコレア氏という法律顧問の助言を得ながら制定されたもので,戦前の治安維持を中心とした出入国在留管理とは異なり,広く外国人を受け入れ,かつ,出入国在留管理に当たっては公正な管理を行う制度とし,この業務を所管する行政機関も,戦前の警察(旧内務省)ではなく,1949(昭和24)年11月1日から外務省管理局入国管理部,その後同省外局の出入国管理庁,入国管理庁を経て,1952(昭和27)年8月1日からは法務省入国管理局,2019(平成31)年4月1日からは法務省出入国在留管理庁となっています。 なお,入管法の特別法として日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(平成3年5月10日法律第71号。以下「入管特例法」という。)及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律(平成28年11月28日法律第89号。以下「技能実習法」という。)があります。 入管特例法は,戦前から引き続いて日本に在留する朝鮮半島及び台湾出身者並びにこれらの直系卑属として日本で出生し,引き続き在留する者に,入管法上の在留資格とは別に「特別永住者」という法的地位を付与し,これを付与された者に対しては退去強制事由を大幅に縮減するなどの特例が定められています。 技能実習法は,過去に発生した各種問題に対応し,技能実習制度の適正第1章 入管法と入管組織

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