ちょっと一言5化と技能実習生の保護のために制定された法律です。 戦前の出入国在留管理は旧内務省警保局及びその下部機関であった特別高等警察,悪名高いいわゆる特高警察が担っていた,それらの元職員やその類似機関であった外務省警察の元職員が戦後の入管当局に再就職する例が多かった,その結果,入管当局には現在においても特高的思考が色濃く残存しているとの言説が最近一部の世界において一種の流行になっていたようです。そのような中において,ある研究者がこの言説の裏付けを試みています。*1しかし,戦前の治安維持法制に関するいずれの著名な文献にも上記言説に関連した具体的記述は見当たりません。その結果,この言説の論証を試みた研究者の典拠も僅か1冊の三次資料の該当箇所一か所のみです。ところが,この三次資料の著者も他の文献(二次資料)における僅か数行の推論,更に言えば,二次資料の著者が客観的な根拠を示さずに行った推測・評価を何ら補強証拠も加えないまま一つのあり得る見方であると単純に評価し,引用しているのです。このような二重推測を機械的に引用しただけでは,論証というには不十分であり,学術上の目的も,その有無を含めて,不明であると言わざるを得ません。 他方,ナチスの時代のドイツでは,外国人行政は帝国内務省及び秘密国家警察(略称ゲシュタポ Gestapo<Geheime Staatspolizei)の管轄でした。日本と異なり,戦後のドイツ連邦共和国(統一前の西ドイツ及び統一ドイツ)では連邦でも州でも内務省は現在に至るまで残存しています。さらに,ナチス時代のオーストリア併合直後の1938年8月22日の外国人警察規則は,1965年4月28日の外国人法が施行されるまでの間当時の西ドイツの入管法として適用され続けました。しかしそれでも,ド1 入管法の制定
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