とって好ましくないと認められる者が列挙されています。 入管法上不適法な状態にある在留外国人(不法入国者,不法上陸者,不法残留者など)については,その在留その者が入管法の規定そのものに違反しているので,入国・上陸前の状態に戻すものであり,特に説明を要するものではありません。 適法に在留する外国人においては,上陸や在留の許可に際して付された在留の条件に従っている限り,その在留は保障されていて,国家の恣意によってその在留が否定されることは相当ではありませんが,その国の国益を害する(好ましくない行為)としてあらかじめ法令に定めた事由に該当する場合に限っては,その在留を否定し,退去を強制することができるとされています。⑵ 手 続 このように,退去強制処分は,退去強制事由に該当する外国人を,その意思に反しても,強制的に国外に追放する行政処分ですから,入管法は,その手続について詳細な規定を置き,処分に過誤が生じないようにしています。 具体的には,入国警備官による退去強制事由に該当する疑いのある外国人(入管法では,刑事手続と異なり,「容疑者」という。以下同じ。)について行う違反調査と身体の拘束(収容),入国警備官から容疑者の引渡しを受けた入国審査官が行う審査と認定,入国審査官の認定に不服のある容疑者(退去強制手続対象者)に係る特別審理官が行う口頭審理と判定,特別審理官の判定に不服のある容疑者の法務大臣に対する異議申出,法務大臣の裁決,退去強制の確定した同手続対象者に対する退去強制令書の執行(収容及び送還),また,一定の要件に該当する容疑者に対する出国命令制度,収容中の外国人に対する監理措置及び仮放免許可制度(いずれも後述)などが定められています。⑶ 退去強制の法的性質 なお,これら一連の退去強制の処分は,刑事処分(刑罰)ではなく,行第8章 退去強制174
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