第3版 これだけは知っておきたい 公用文の書き方・用字用語例集
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記 6 往復文書とは、通知・通達や照会・回答など、特定の者から特定の者に対する意思伝達の文書をいう。往復文書は、伝達事項の表現を簡潔かつ明瞭にするほか、他の文書と比べても、その構成が分かりやすいものでなければならない。 書式例がある場合にはおおむね分かりやすい構成となっているので、それを参考にすればよいが、書式例がない場合には、最も基本的な形である三段型を用い、序論、本論、結論に分けて構成するのがよい。また、序論・本論・結論は、それぞれ段落分け(パラグラフ形式)をした方が主旨をまとめやすく、また、読みやすい。 なお、序論、本論、結論の各段落をつなぐ接続詞には、次のような語句がよく用いられる。① 序論:この度、御案内のとおり、標記の件について② 本論:ところで、さて、ついては③ 結論:ついては、今後は、記 1  申請手続 2  処理手続ポイント「1文書・1案件の原則」 文書は、原則として1案件ごとに作成する。1文書に多数の案件を盛り込むと、読み手に情報が正確に伝わらなかったり、事後に文書の整理がつかなくなったりする。「標題」 文書には、一見して文書の趣旨・内容が分かる件名を付ける。「序論」 文章全体の趣旨や、本論を導き出すための事実関係などを簡潔に書く。「本論」 中心となるべき伝達事項や、事実関係を踏まえて分析・検討した結果(意見)などを書く。この場合には、「事実」と「意見」をしっかりと区別して書く。事実とは、「実際に起こった事柄。現実に存在する事柄。」(小学館デジタル大辞泉)のことであり、意見とは、「ある問題に対する主張・考え。心に思うところ。」(小学館デジタル大辞泉)である。事実はできる限り客観的に表現する必要があり、むやみに修飾語を付けると書き手側の価値判断(意見)が含まれることになるので、注意を要する。 なお、事実関係等が複雑となる場合には、本論部分では大要を述べるにとどめ、細かな事実経過等は「別紙のとおり」とし、別紙に箇条書にするとよい。「結論」 事務処理上の指示事項や、本論で検討した結果の締めくくりを書く。 (標題) △△に関する取扱いの変更について(通知)(序論部分) この度、第170回国会において○○法の一部が改正され、従来…とされていた△△に関する取扱いが変更となりました。(本論部分) ついては、法施行後は下記のとおり取り扱うこととされたので、この旨職員に周知願います。(結論部分)第 2  文章表記の仕方1 文章の構成⑴ 往復文書等の定型的な文書

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