第3版 これだけは知っておきたい 公用文の書き方・用字用語例集
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243〔文書の目的に応じた言葉の使い方(「公用文作成の考え方」(文化審議会建議)解説Ⅱ-6、Ⅱ-8参照)〕 文書には必ず目的があり、目的が違えば期待される書き方も異なる。法令に準ずるような文書や府省庁間でやり取りする文書と、広く一般向けに書かれる文書とでは、読み手が違うということをまず意識しておく。例えば、府省庁内でよく用いられる「喫緊の課題」「可及的速やかに」などといった用語は、広く一般の人々に向けた解説・広報等では「すぐに対応すべき重要な課題」「できる限り早く」などと言い換える。 日本に住む外国人は年々増加しており、日本語を母語としない人々に対する情報発信においては、やさしい日本語を用いるようにする。また、日本人に向けた文書であっても、地方公共団体や民間の組織を通じて、外国人向けに平易で親しみやすい日本語に書き直されることがあることを意識し、あらかじめ簡潔に理解しやすく作成するよう心掛ける。 漢語(音読みの言葉)は、耳で聞いたときに分かりにくいものが多い。常用漢字表にない漢字を含む熟語(例:橋梁りょう、塵じん埃あい、眼瞼けんなど)は、和語(訓読みの言葉)に言い換える(例:橋、ほこり、まぶた)ことで、より円滑に理解することができる。 ⑵ 「漢字+する」型の動詞を多用しない 「模する」「擬する」「賭する」「滅する」といった漢字1字の漢語による動詞のうちには、文語に基づくものが多く、聞き取りにくく堅苦しい語感を持つものがある。法令によく用いられる表現であっても、解説・広報等でむやみに多用することは避ける。例えば「似せる」「なぞらえる」「賭ける」「滅ぼす」など、和語の動詞に言い換えると分かりやすくなることがある。 ⑶ 分かりやすさや親しみやすさを高めるには、述部に訓読みの動詞を用いる 分かりやすく、親しみやすい文書にするには、述部に訓読みの動詞(和語の動詞)を活用するとよい。 (例)作業が進捗する → 作業がはかどる、作業が順調に進む、作業が予定どおりに運ぶ ⑷ 紋切型(型どおり)の表現や構成は、効果が期待されるときにのみ用いる 挨拶などの決まりきった言い回しが長くなると、文書の本質がぼやけることがある。また、公用文の構成においては、冒頭で根拠となる法令を引用する型がよく用いられる。そのような紋切り型の表現や構成は読み手にとって本当に必要なものであるかを考えて使うようにする。1 誰に向けた文書であるかに留意して用語を選択する2 平易で親しみやすい日本語を用いる3 その他の表現の工夫 ⑴ 聞き取りにくく難しい漢語を言い換えるお役所言葉一覧

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