⎫⎜⎬⎜⎭249【注意すべき言葉について】 公務員は、基本的人権を尊重すべき立場にあり、差別的な用語や、読み手やその関係者を不快にさせる用語を使用しないよう、最大限に配慮する必要がある。 仮に、差別語・不快語を使用する必要がある場合でも、その用語を使用することに合理的かつ必然的な理由(例えば、歴史的な時代背景の説明や伝統的・文化的な言辞等を用いる必要がある場合など)がなければならない。また、それを使用する理由を「断り書き」で明らかにしておかなければならない。 ところで、次の①ないし③の三つの文章表現を見比べていただきたい。①はいわゆる差別用語を用いているが、②と③は差別用語を用いていない。しかし、これらの文脈は、いずれも「精神障害者⇒怖い存在⇒犯罪者」とのステレオタイプ的な結び付けをしており、精神障害者に対する予断と偏見に満ちた文章といえる。つまり、それが差別表現なのか否かは、文中に差別用語を用いているか否かではなく、書き手がどのような意図をもって、その文章を書き表したかが問題となる。その文脈が、ある特定の人種や地域等を忌避ないし排除等する意図を持っていたり、揶揄(やゆ)ないし蔑視する意識が隠れていたりするときは、特定の差別用語を用いていなくても差別的表現となるのである。【凡例】×使用不可:使用するのが不適切な言葉△使用注意:使用するに当たって配慮が必要な言葉 ① 包丁を振りかざして登校中の小学生を次々に刺した犯人は、キチガイだ。 ② 包丁を振りかざして登校中の小学生を次々に刺した犯人は、精神障害者だ。 ③ 包丁を振りかざして登校中の小学生を次々に刺した犯人は、精神科に通院していた経歴がある。 次ページ以下の「注意すべき用語」は、これまでに差別的事案として問題となったものである。これらの用語がなぜ差別性を持つとされるのか、その歴史的・社会的な意味を正しく理解するとともに、これらの用語をついうっかり使用し、読み手やその関係者を侮辱し、傷つけることのないよう、最大限の注意を払わなければならない。×注意すべき言葉一覧
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