2ものであるが,■一時■用■目的の借地契約かどうかの基準については,次のような見解があった。1■一時■用のための借地権を設定したものであることの判定は単に物理的な時の長短だけを要素とするものではなく,諸般の事情を■慮の上決せられるべきものであ〔り〕,借地法第9条に該当するかどうかの判断上もっとも肝要なことは,■物■用の目的,態様からみて,借地人を賃貸借の期間の上から保護する必要のないことが,積極的に社会観念上明白に認められる場合でなければならない。■(大阪高判昭和29年9月3日,判時37号12頁)とする見解と,2■借地法第9条にいわゆる一時■用のために借地権を設定したことが明かな場合というのは賃貸借の動機,目的,態様その他諸般の事情から賃貸借を短期間に限って存続させる合意があったと認むべき相当の理由がある場合を指称するものと解すべき〔である。〕■(大阪3■その目的とされた土地の利用目的,地上■物の種類,設備,構造,賃貸期間等,諸般の事情を■慮し,賃貸借当事者間に短期間にかぎり賃貸借を存続させる合意が成立したと認められる客観的合理的な理由が存する場合にかぎり,右賃貸借が借地法9条にいう一時■用の賃貸借に該当するものと解すべく,かかる賃貸借については,同法11条の適用はないと解するのが相当である。■(最判昭和43年3月28日,民集22巻3号692頁,判時518号50頁,判タ賃貸借が一時■用であるかどうかは,当事者にとって大きな問題になってくるが,判例はその判断基準について,通常の借地契約と異なる条件があるかどうか,借地法の趣旨を潜脱する意図があるかどうかなども,その判断基準としている。以下のような判例がある。第1編借地契約における各種特約の効力高判昭和31年5月22日,下民7巻5号1325頁)とする見解があったが,最高裁は,221号125頁,金判109号6頁)とした。(一時■用であると判断した事例等)最判昭和32年7月30日(民集11巻7号1386頁)■原判決は,論旨の指摘する,本件賃貸借の成立に至る経緯,その契約条項,地上■物の■用目的,その規模構造等のほか賃料改定の有無等の事情について,これを判示のように認定し,これ等の点をも綜合■察の上,本件賃借権を借地法9条にいわゆる一時■用のために設定されたものと判断したのであることは原判文上明らかである。そして原判決の挙示の証拠によれば,前記判示事実の認定は十■可能であり,またこの判示事実に基づいてなした右の判断は結局正当であると認められる。■参■裁判例高■高判昭和31年12月15日(下民7巻12号3634頁)最判昭和32年2月7日(民集11巻2号240頁,判タ68号85頁)最判昭和32年11月15日(民集11巻12号1978頁,判タ77号29頁)■しかして,右原判決の判文に徴すれば,被上告人は上告人の借地権を認めずその明渡を要求し,上告人はこれを争う調停事件において,互に譲歩して改めて賃借権を設定し,その間に存
元のページ ../index.html#30