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第2章1からも、法律家の側からも、学校教育の現場を法的観点からサポートする必要性が、より明確に認識されるようになった。 もっとも、どのようなサポートが望ましいのかについては、法律家の中でも意見が分かれている。2)ただ法律家によるサポートのあり方は、法律家が決めることではなく、学校現場のニーズが決めることであろう。そこで、まずは教職員が直面する学校現場の法律問題の状況と課題について概観する。3)学校における法律問題の現状と課題【その①】学校の取り組みいろいろ、制服もいろいろ 公立私立問わず、特色のある学校作りの取り組みがなされている。その中で、性の多様性の問題をきっかけにスカート・ズボンの選択が柔軟に考えられるようになり、一歩進んで服装の自由の観点から、スカート・ズボンの両方を用意するような学校も増えている。 最近見た、とある学校の広報では、正装制服とカジュアル制服(日常の学校生活できるパーカーやTシャツ)を用意し、TPOに合った着こなしを生徒が考えるようにという取り組みを始めたそうである。 同じものを着る制服から、選択して着る制服へ。この生徒が考えて選択するという流れは今後の様々な学校の取り組み、特に校則などの既存のルールの意義を考える上でも、大きな転換をもたらすきっかけになるのではないか。2)神内聡『スクールロイヤー 学校現場の事例で学ぶ教育紛争実務Q&A170』(日本加除出版、2018)Q1参照3)佐藤香代「学校で起きる紛争の特殊性と法律家に期待される役割」(法学教室511号5頁)参照

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