13_学危
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1クレーム対応に追われる学校 学校現場は、クレーム対処が必須の課題となっている。もちろん、いつの時代も学校に対するクレームはあったはずで今にはじまったことではない。そうであれば、現在のクレーム対応にひっ迫した状況は、学校に寄せられるクレームについて、量的よりも、質的な変化がもたらしたと考えられる。 このクレームの質的変化をもたらした原因は、様々あろう。保護者の高学歴化による教員の地位の相対的低下、消費者意識・権利意識の向上、親子関係の変化、子どもの学び・遊びなどの生活環境の変化、学校への連絡やクレームを発信する手段の多様化などが考えられる。 ただいずれも学校側に起因するものではないから、これらの原因について検討しても、事態の解決にはつながらない。そこで、学校現場としては現実に生じているクレームに対してどのように対処していくかを考える必要がある。 まずここで一つポイントを指摘しておくとすれば、学校には、お客様相談室のようなものがなく、担当者とクレームの窓口を分離する仕組みがないことによる負担が大きく、その弱点を意識した対応が必要になるということである。具体的な点については、第4章で述べる。2法的責任と道義的責任の混在 教職員の多くは、子どもたちのために最善を尽くしたいと考えているであろう。そのため、結果が最善でないことを、自分の落ち度や力3第1 学校が直面する課題第第11■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

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