13_学危
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13分、先の見えない交渉には不向きとさえいえる。 当事者的地位に立つ教職員と決裁権のある管理職(その意味では、校長だけでなく副校長も同様である。)はクレーム対処にはあまり向かないということを、まずは知ってほしい。第3 教職員はクレーム対処が下手?【その②】不用意な例え 「学校と家庭は車の両輪です。」とは、保護者会で校長先生がお話しするときなどに聞くことのある言葉である。 車の両輪とは、お互いに欠くことのできない密接な関係にあることを意味する例えであるから、もしかしたら上手な使い方ではないかもしれない。子どもの教育に、学校と家庭のいずれも欠くことができないという意味ではなく、より効果的に学校の教育をするためにご家庭も協働・協力してくださいとお願いする意味で用いられているのではないかと思われるからである。 学校での教育が片側の車輪、家庭での教育が反対側の車輪だとしたら、その車のハンドルは誰が握っているのだろうか。ご家庭に協力を求める学校としては、学校がハンドルを握っているつもりかもしれない。しかし聞いている側はどうか。 「校長先生。学校と家庭は車の両輪ですよね。」と逆手に取られて、家庭の方針に学校が協力するよう求められた校長先生のぼやきを聞きながら考えた。もしかしたら、不用意な例えだったかもしれない。

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