13_学危
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v 本書は、平成21年から開始された、一般財団法人日本私学教育研究所(以下、法人名略記)の教員免許状更新講習及び10年研修での講演の成果をまとめたものである。ここでの講演は、筆者が、司法試験受験時代にスポーツクラブで指導員をしていた経験、公益財団法人日本体育協会(以下、法人名略記)のジュニアスポーツ法律アドバイザーとして受けた研修の成果、また同協会の講習の講師を務めた経験や弁護士として紛争解決に当たった経験を踏まえて行っているのであり、教育専門家のような深い造詣に支えられた教育理論を展開するものではない。 筆者としては、自身のスポーツクラブでの指導経験に照らし、今、学校の現場に必要なのは、外から現場の問題点を突きつけることではなく、どうやったらその問題点について改善できるかを一緒に考えることだと思っている。しかし実際には、「専門家と連携しながら、慎重にかつ迅速な対応をすべき」など、アドバイスを受けた側として「だから、どうしろというのだ。」と言い返したくなる助言は少なくない。そこで、本書では、学校の問題点を指摘することより、やるべきアクションを示すことを意識した。これが正解というものではないが、各学校での具体的なアクションの指針作りに役立てばと思う次第である。 なお、本書は、筆者のような浅学の者の下ながら、真摯に鍛錬を積んだゼミ生の活動の成果でもある。日本体育協会での講演の頃から参考判例の選別や講習の流れを検討してくれた外山晴隆君と関愛美さん、講演会場に足を運び、講演の聴講者の様子を踏まえた貴重なアドバイスをくれた衛藤朋之君にまずお礼を述べたい。また、本書を用いた最初の講演が、関さんの勤務するアパホテル東京ベイ幕張で行われたことを嬉しく思う。はしがきはしがき

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