事務職員4 補助職であるが故に,独断で仕事を進めることはできず,必ず弁護士への報告,弁護士からの指示が必要であるという面と同時に,弁護士の仕事がスムーズに進むように積極的になるべき面という,相矛盾するようなことがありますが,同時にそれらが事務職員としての仕事のやりがいかもしれません。 裁判所との関係においては,弁護士が代理人として手続に関与すると,裁判所としては,「弁護士が代理人となっているのだから,だいじょうぶだろう。」と考えます。おかしなことはしないだろう,手続についてはよくわかっているだろう,と裁判所と弁護士との間で信頼が生まれます。他方,弁護士は受任した事件について,すべてを自ら行うことはできず,事務職員に指示をして行います。 つまり,事務職員の行動は,そのまま弁護士の行動と同視され,事務職員の行動が裁判所と弁護士の間の信頼につながります。ですから,事務職員が無責任な行動をとったり,いいかげんなことをすると,弁護士に対する裁判所の信頼,事務所全体の信頼を損なうことになります。 ですので,事務職員も弁護士が受任している事件,仕事の内容をよく理解し,勉強することが必要となります。第Ⅰ章 法律事務所の仕事弁護士
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