コラム相手の氏名・商号の変更,住所・所在地の移転に注意 自然人(個人)を相手に訴えを提起する場合,紛争が起こった頃と比べて婚姻や養子縁組などで姓が変更していること,転居などで住所が移転することがあります。また,法人を相手に訴えを提起する時,現時点の相手方の所在地と,紛争の原因が起こった当時の相手方の所在地が異なる場合,または,相手方の法人名(商号など)に変更があった場合,訴えの提起時は,現時点の法人名,所在地が判明していればよいのですが,後々,紛争の原因当時のことが争点になった場合,それらのつながりをつけなければならないこともあり得ます。 例えば…… Aさんが消費者金融である株式会社Bに対し,不当利得返還事例請求訴訟(過払金返還請求訴訟)を提起しようとしたとき,Aさんがその消費者金融から金銭の借入をした当初,その商号は「株式会社乙」で,本店所在地は,「東京都○○区……」でした。しかし株式会社乙は,その後,商号変更と本店所在地移転をくり返して,現在の商号は,「株式会社B」,本店所在地は,「名古屋市××区……」となっている。25 ある団体が訴訟の当事者となるとき,その団体が法人となっている(法人格を有している)かそうでないかは,外見からはわかりません。そのため,法人であるのであれば,それを証明する書面を裁判所に提出しなければなりません(民訴規18条,15条)。訴訟を提起するとき,原告が法人であるときはもちろん,訴える相手(被告)が法人の場合も,その法人格を証する書面が必要となります。1 提訴のための事前の資料収集
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