11_面審
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【1】【2】沼邊審判(離婚後再婚事案)  19 また相手方父は,離婚の際,相手方父と申立人母とは,以後相互に何らの請求をしないことを約しているから,その後申立人母が相手方父に対し長男との面接を求めるのは上記約に反すると主張している。当時の調停条項5項として,「当事者双方は本件離婚に関し,前各項に定めた外今後互に名義の如何を問わず何等の請求をしない」旨の記載があるが,本件で申立人が求めている事件本人の面接に関する事項は,調停条項2項に定めた「当事者間の長男の親権者を父である申立人(本件では相手方〔父〕)と定め,申立人〔父〕において監護教育する」ことに関連する事項であって,上記調停条項5項はかかる事項についての当事者の爾後の請求まで禁ずる趣旨でないことはその文言から明らかである。 したがって,この点についての相手方父の主張も理由がない。 以上により,相手方父に対し事件本人長男との面接交渉を求める申立人母の請求は理由があることは明らかであるが,その面接回数は,諸般の事情を考慮し,毎月1回と定めるのが相当であり,また面接の日時及び場所については長男の年齢,申立人母と相手方父の住居の距離,長男の自由時間,両親たる申立人母と相手方父との感情的対立の程度,面接に利用できる場所等たえず変動する諸事情を考慮すべく,あらかじめ決定し難いので,裁判所が毎月その都度指定するものとし,また本件においては面接の実施につき申立人母及び相手方父に対する調整活動を必要とするので,申立人母及び相手方父に対し面接の実施につき,本件について調査を担当した家庭裁判所調査官○○○の指示に従うことを命ずることとする。 このような理由を付し,東京家裁は,結論として,主文「相手方は,毎月1回当裁判所の指定する日時および場所において事件本人を申立人と面接させる。申立人および相手方は,前項による面接の実施については,家庭裁判所調査官○○○の指示に従え。」とする審判をした。 最後に本審判は,「なお書き」「付記事項」として,「なお,最後に,当裁判所として,申立人および相手方に対し要望ないし注意したい点を付記する。申立人に対しては,前述の如く相手方が,申立人が事件本人との面接にかこつけて相手方一家5人の生活に干渉しもしくはこれを妨害する意図を有する

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