11_面審
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旧版 はしがき  iii 本書は,親と子の面会交流に関する全裁判例93件の分析を通して面会交流の調停・審判のあり方を探ろうとするものである。面会交流とは,親権者又は監護者として自ら実際に監護教育に当たっていない方の親(非監護親)が,その子と個人的に面会・面接したり,あるいは文通したりして交流・交渉することである。当初は「面接交渉」といっていたが,最近では「面会交流」と称されるようになった。意味は同じである。 親と子の面会交流の紛争は,夫婦が不和別居したときから始まる。通常は,夫婦喧嘩のあげく,妻が子どもを連れて家を飛び出し,実家や第三者宅等に居座る。夫は,妻子の居場所を突き止めると,子を取り戻すために,「監護者指定」や「子の引渡し」を求める調停又は審判を申し立てる。これに対抗して,妻は生活費を確保するため,「婚姻費用分担」の調停又は審判を申し立てる場合が多い。 かくして離婚紛争の前哨戦として,子の監護紛争が始まるが,面会交流を求める調停又は審判の申立ては,離婚前の監護者指定や子の引渡し調停・審判のいわばそのまた前哨戦として,取りあえずそれらの事件が確定するまでには時間がかかるので,その確定までの間,面会交流だけは確保したいというときにも利用される。離婚の前哨戦として直ちに始まる場合のほかに,その前の監護者指定等の前哨戦として始まる場合もあるわけである。 面会交流の紛争は,離婚と同時に離婚に伴う附帯事項として離婚調停・離婚審判や離婚判決の際にも生ずるが,離婚確定後にも生ずる。親権者指定を伴う離婚確定後の面会交流調停・審判が民法766条及び家事事件手続法別表第二3項に規定する本来の事件類型であり,民法等が予定するものである。それを類推適用する形で,法的離婚の前段階たる事実上の離婚ともいえる不和別居中の紛争も,面会交流調停・審判の対象となるわけである。 平成23年に改正された民法766条は,離婚後の「子の監護に関する処分」の一類型として,「子の監護をすべき者」(監護者指定),「父又は母と子の面旧版 はしがき

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