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第1民法724条前段(現行法)21 短期消滅時効を設けた趣旨第1編□通事故に基づく損害賠償請求権と消滅時効(人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権の消滅時効)改正民法724条の2人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権の消滅時効についての前条第1号の規定の適用については,同号中□3年間□とあるのは,□5年間□とする。(不法行為による損害賠償請求権の期間の制限)現行民法724条不法行為による損害賠償の請求権は,被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年間行□しないときは,時効によって消滅する。不法行為の時から20年を経過したときも,同様とする。最判昭和49年12月17日(民集28巻10号2059頁,金判484号2頁,金法745号32頁)□商法266条の3第1項前段に基づく第三者の取締役に対する損害賠償請求権の消滅時効につき民法724条の適用があるかどうかは,商法266条の3第1項前段所定の取締役の責任(以下□取締役の責任□という。)の法的性質,民法724条が短期消滅時効を設けた趣旨等の観点から検討して決すべきものである。思うに,⑴取締役の責任は,法がその責任を加重するため特に認めたものであって,不法行為責任たる性質を有するものではないから(最高裁昭和39年(オ)第1175号同44年11月26日大法□判決・民集23巻11号2150頁),取締役の責任については不法行為責任に関する消滅時効の特則である民法724条は当然に適用されるものではない。⑵また,民法724条が短期消滅時効を設けた趣旨は,不法行為に基づく法律関係が,通常,未知の当事者間に,予期しない偶然の事故に基づいて発生するものであるため,加害者は,損害賠償の請求を受けるかどうか,いかなる範囲まで賠償義務を負うか等が不明である結果,極めて不安定な立場におかれるので,被害者において損害及び加害者を知りながら相当の期間内に権利行□に出ないときには,損害賠償請求権が時効にかかるものとして加害者を保護することにあると解されるところ,取締役の責任は,通常,第三者と会社との間の法律関係を基礎として生ずるものであって,取締役は,不法行為の加害者がおかれる前記のような不安定な立場に立たされるわけではない

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