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代車料第1 第1代車料/⑴代車料を認めなかった事例33告の妻のために購入したと述べるものの,原告の妻の仕事等のために用いることができる他の車両(トヨタ・プリウス)も存在し,原告が上記車両(ベンツ)を営業活動のために□用することによる特段の支障は認められないことからすれば,原告において,代車の必要性は認められず,代車料を負担する蓋然性も認められないというべきである。したがって,代車料については本件事故による損害として認められない。□東京地判平成23年7月26日(判例秘書L06630288)□証拠(原告A本人)によれば,原告AはA車の修理をしておらず,現実に代車を借りていないことが認められ,代車費用を損害として認めることはできない。□東京地判平成18年4月18日(判例秘書L06131640)□原告は,医療機器販売会社を経営し,原告車を勤務に□用するほか,営業上ほぼ連日開業医を中心に接待のために□用していたことから,原告車の代車が必要であったと主張する。しかし,原告が医師の接待をするのは,1か月に2回くらいであり,その月によって異なる(原告)ところ,原告の主張する代車期間内に医師の接待のために代車を必要としたことの証明はなく,営業上どのように□用していたかに関する具体的な事実の立証もない。また,原告は,家族の旅行等のプライベートにも代車を□用する必要があると主張するが,原告の妻がノアという名称の車両を所有していること(丙2)などからすれば,家族の旅行等に代車を□用する必要性があったとは認め難い。ところで,原告は,参加人が当初は代車□用の必要性を認めて代車を出すことを了解しており,参加人の主張は禁反言違反であると主張する。しかし,一般に,保険会社は,当初は,代車□用の必要性等が明確ではないことから,内払の形で,一応代車□用の必要性を認めて代車料の支払等に応じるものの,その後,裁判等において,代車□用の必要性を争い,代車□用の必要性が否定された場合には,既に代車料として支払った金額について,別損害への塡補を主張することは少なくない。そして,保険会社が,通常,代車□用の必要性の有無にかかわらず,代車料の支払又は代車の提供を認め,後に代車□用の必要性が否定された場合であっても,これを一切争わないとする趣旨の合意をするとは□え難い。したがって,そのような趣旨の合意の存在が認められない以上,当初は代車□用の必要性を認めていた保険会社が代車□用の必要性を争う主張をすることは禁反言に反し許されないと解することはできない。そして,本件においては,上記趣旨の合意の存在は認められないから,原告の上記主張は採用できない。□東京地判平成18年8月9日(判例秘書L06133164)□原告は,原告車両を買い物や夫の送り迎えのため毎日□用していた(原告本人)ものであるから,代車の必要性自体は認められるというべきところ,原告が本件事故後,原告車両に代わる新たな車両を購入し,登録したのは平成17年2月10日であることが認められるが(甲8の1ないし4,甲9),本件事故から新たな車両を購入するまでの期間中,原告が代車を□用したことを認めるに

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