法農
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80農地を取得した法人を農地所有適格法人と呼びます(詳細は、後記5.「農地所有適格法人(株式会社)設立」を参照)。つまり、農業を事業として行っている法人を「農業法人」と呼び、その中でも特に一定の4つの要件を備えて、農地を取得した法人のみを「農地所有適格法人」と呼びます。一定の要件を備えた段階で農地所有適格法人と称する場合もありますが、厳密に言うと要件が整っているかどうかの確認を受けていないので、その段階では、農地所有適格法人ではありません。法人として農地を取得できるかどうかを農業委員会で審査され農地取得の許可を得て農地を取得したところから厳密な意味での農地所有適格法人となります。ただ、一部の補助金の交付要件としての農地所有適格法人は、農地を実際に取得していなくても、農地所有適格法人の要件を備えていればよい場合もあり、農地所有適格法人の要件を備えた段階で農地所有適格法人とみなしています。実際の運用では厳密な言葉の使用はされていないようです。農地所有適格法人には、法律上の名称の定義(農地法2条3項)はありますが、使用しなければならないという規定はありません。つまり「農地所有適格法人」という言葉を商号に入れて登記することもできますが、特に入れなければならないという規定はありません。むしろ農地所有適格法人の要件を外れてしまったときに、名称変更の登記が必要となるので、通常は、商号にまでは、入れません。平成21年の農地法改正前までは、農地を使用して農業を行っている法人はすべて農地所有適格法人でしたが、平成21年の農地法改正により通常の一般法人(*1)などで農地所有適格法人の要件を備えていない法人でも、解除条件付きの賃貸借契約など(*2)により農地を借りて農業をすることは可能となりました(農地法3条3項)。

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