197近時、農林水産品のブランド化は、商品差別化を図る生産者にとって大変関心が高くなっています。農林水産分野におけるブランド化の目的は、高付加価値化された商品の提供を通じて生産者のブランド価値を向上させることにあります。農林水産品等のブランド化を進める上では、ブランドとブランドネームの違い、ブランドという知的財産のマネジメント、ブランドを保護する商標権の内容の理解が必要です。ブランドとは、生産者の商品に対する消費者の評価といえるものです。例えば、生産者が提供する商品について、生産者が「高品質」であることを謳っている場合、その品質に満足する消費者にとっては、生産者の高品質商品は生産者を示すブランドとなります。これは、生産者が消費者に対して「高品質」という約束を行うものであり、その約束を守り続けている限り、消費者はその商品に特別な価値を見出し、生産者の商品をブランドとして認知していることになります。つまり、ブランドは消費者の心の中で創られるものなのです。ブランド化は単に商品等の斬新なブランドネームをつけることではなく、生産者が提供する商品の価値づくりを意味します。ブランドネームは、ブランド価値を消費者へ伝える手段として利用するものであり、消費者が所望す⑴ ブランドの意味 ―ブランド化・輸出―1.ブランド化とは第9章 これからの農業の展開 2
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