法農
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202競争力が設計されています。農林水産品のブランド化による差別化、高付加価値化を目指すには、事業起点型の知的財産マネジメントが求められています。やみくもに新製品を開発し、知的財産権を取得するだけではブランド化は実現しないことに留意が必要です。品種改良により新品種を開発、産品を生産し、その産品を加工した商品をインターネットで販売する場合を考えてみましょう。新品種は、生産者の努力によって開発された知的財産です。新品種の開発、生産、加工等に用いられる技術やノウハウ、販売時のパッケージデザイン、商品のネーミングも知的財産です。また、インターネット通販のために作成するウェブサイトも知的財産となります。生産者が新品種を開発せず、通常の品種から産品を生産する場合でも、生産効率や品質安定のための技術やノウハウは存在しており、これらも知的財産といえます。知的財産等の無形財産は、目に見えないため、見えざる経営資産といいます。見えざる経営資産のうち、主にブランド、技術、ノウハウ、デザイン、営業秘密等を「知的財産」と呼び、この「知的財産」を保護するため、法的に独占排他権を付与したものが「知的財産権」と呼ばれます。ブランド化を進めていくためには、「知的財産」と「知的財産権」を明確に区別する必要があります。⑵ 知的財産の特定

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