法農
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44444444iii現在、農業は大変換期を迎えています。良い悪いは別として、これまでの農業は関税や補助金といった手段を使って国に手厚く保護され、現在の状態を保ってきました。グローバル化の進展とともに、もはや農業だけを特別扱いにすることはできず、農業も国際競争力を持った国内のその他の産業と同様の扱いをされなければならなくなってきています。現政権は、そのような国際環境を逆手に取り、農業を成長産業とすべくいろいろな政策を打ち出しています。具体的には、「農地集約」「法人化」「6次産業化」「輸出」というキーワードなどを挙げることができるでしょうか。身近な政策でいうと「農協改革」といった言葉が分かりやすいかもしれません。そのような大変換期にあって、意欲のある若手農業者はこれまでの補助金頼みの経営を脱し、経済的に自立しようと努力をしています。また、農業に興味のある外部の経営者は、今後の成長を見越して積極的に農業進出をしています。農業支援業務をしていると、日々その大きな動きを実感することができます。これまで農業者は何か問題や相談があると農協に行っていました。しかし、高度な農業経営を目指す担い手たちはそれだけでは問題解決をすることができず、より専門的な支援を求めています。本書の目的は、そのような農業者に対する専門的な支援を行うにあたっての入門書となることにあります。前述のとおり、農業には多くの補助金や保護施策がなされているため、他から見ると産業として非常に分かりづらくなっています。その全てを本書で解説することはできませんが、士業が農業支援を行うにあたっての必要最低限の情報は網羅しております。そのうえで、今後農業が目指す「6次産業化」や「輸出」についてもあえて触れ、長期展望に立った支援ができるような構成としました。現在の農業の姿ではなく、5年後10年後の競争力のある産業となった農業を想定できるような記述も加えてあります。は じ め に

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