iv私は、司法書士・行政書士業を主な業務としていますので、以下の記述で、若干、司法書士・行政書士寄りの文章になってしまうことをお許しください。これまで司法書士・行政書士事務所に持ち込まれる案件は、農地を農地以外に使いたいという目的のものが多かったのではないでしょうか。いわゆる「農地転用」「開発行為」の案件です。しかし今後は、そのような案件であっても、目的が「農地に直売所を建てる」、「農産物加工所を建てる」など、積極的な農業の振興を促進することを目的とする案件が増えると思われます。今後、TPP等の影響を受けて、農業環境は激変が予想されます。その中で、農地の集約化、農業者の法人化は、ますます進んでいくことでしょう。私たち士業が積極的に農業に関わっていくことは、これからの日本農業の発展に寄与すると同時に、自らの業務範囲の拡大につながります。本書の中では、中小企業診断士、行政書士、司法書士、税理士、社会保険労務士、弁理士が、どのような場面で農業支援ができるかを、実体験をもとに記述しております。各士業の方々の業務展開の指針になることを目指しました。とりわけ、司法書士・行政書士は、土地(農地)に関するエキスパートとして農業と切っても切り離せない業務を行っています。農業の様々な場面での支援が可能だと思われます。また、更に司法書士にとっては、このような経営支援業務は、近年開拓を進めている業務範囲である司法書士法施行規則第31条に規定された「他人の事業の経営、他人の財産の管理若しくは処分を行う業務又はこれらの業務を行う者を代理し、若しくは補助する業務」に類する業務となるのではないでしょうか。もちろん、農業経営を支援し、農業者の方に豊かになっていただくのが目的ですので、経営の総合的な支援が必要となり、単独の士業が行うだけでは困難なことも予想されます。本書を手に取られた方は、ぜひ、他士業と連携を組み、農業を成長産業にするべく農業支援の業務に取り組んでいただければと思います。本書の執筆に際しては、栃木県の竹田知史司法書士に全般にわたりご協力
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